通信制高校には公立と私立が存在し、入学を検討する際には公立と私立の違いや学費の差などを調査する必要があります。
令和2年に文部科学省が実施した「高等学校通信教育の現状について」では、公立校161校、私立校174校、計335校が存在しています。
一般的に公立と私立の違いは多く存在しますが、中でも大きな違いとして挙げられる点は「学費」です。
通信制高校だけでなく全日制高校も同様に、公立と私立は学費に大きな差があります。
コースや受けられるカリキュラムによっても異なるため、学費を抑えたい方は私立ではなく公立の通信制高校を選ぶことをおすすめします。
今回は、公立と私立の通信制高校の学費の平均相場や、学費以外にかかる費用について解説します。
関連記事:通信制高校はどんな感じ?全日制高校との違いや向いている人の特徴を解説!
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通信制高校の学費とは?
通信制高校の学費は公立と私立で差があり、公立校の学費相場が4~10万円ほどであるのに対し、私立は25~180万円と非常に大きな違いがあります。
また、学費以外にもスクーリングなどでかかる通学費やWEB受講時のパソコン等の設備費なども検討しなければいけません。
以降では、通信制高校の学費相場や公立・私立の学費について解説します。
公立と私立の学費の平均相場
公立と私立の学費平均は下記の通りです。
費用の種類 | 公立 | 私立 |
---|---|---|
入学金 | 500円 | 20,000~50,000円 |
授業料 | 年間10,000円程度 ※1単位300円(約30単位取得した場合) |
年間180,000円~ ※1単位6,000円(約30単位取得した場合) |
その他費用 | 1年間30,000円程度 | 年間30,000円(ネット) 年間100,000円(通学) |
合計 | 40,000円程度 | 250,000円程度 |
※参考元:通信制高校ナビ
公立校は入学金500円程度となっており授業料も10,000~30,000円程度、合計金額は年間40,000円ほどとなりますが、私立は入学金や授業料、その他諸経費を併せると250,000円と非常に高額になります。
合計金は私立でも学校により異なりますが、公立よりも高額であることは念頭に置きましょう。
公立通信制高校の学費は4~10万円ほど
公立の通信制高校は年間4万円ほどから受講でき、私立よりも学費を抑えられます。
3年間通った場合3年間の学費は私立の約10分の1程度で、リーズナブルに通えます。
入学時に必要となる入学金も公立校の場合500円程度と安価に入学でき、都立や千葉県でも同様に入学金は500円となっています。
また、千葉県は通信制過程の授業料が1単位330円からとなっているため、学費をとにかく抑えたい方に非常におすすめです。
なお、公立の通信制高校は私立校よりも学科試験を課していることが多いため、入学試験では「学科試験+面接」の組み合わせを合格する必要があります。
料金を抑えて通信制高校に入学したい方は、ぜひ公立校へ入学しましょう。
私立通信制高校の学費は25~180万円ほど
私立通信制高校は公立通信制ではおこなっていないサポートやコースを提供している分、学費が高額になっている傾向があります。
例として、第一学院高等学校の入学金は136,000円、ルネサンス高等学校は50,000円と平均して20,000~50,000円程度となっています。
通信制高校の中には、入学金が100,000円以上になる学校も存在します。
また、単位の価格も公立より高額となっている傾向にあり、第一学院高等学校では1単位10,000円となっています。
平均して1単位10,000円となっており、公立通信制高校と比較しても非常に高額であることがわかります。
高額である一方、私立は公立よりも学習や精神面へのサポートが手厚く、不登校復帰や大学進学がしやすい特徴があります。
手厚いサポートを受けたい方や特定の勉強をしたい方、自由度の高い勉強をしたい方には私立の通信制高校がおすすめです。
学費・授業料以外も考える
通信制高校では学費以外に、教科書代や学習費、施設費などの諸経費を支払わなければいけません。
公立の通信制高校の場合は、日本スポーツ振興センター共済掛金として年額165円の支払いが必要となります。
その他にもレポートを提出するための郵便代金や教材費、スクーリングのための交通費なども必要となります。
一方、私立の通信制高校は入学するコースによって教材費や学習費、施設費などの費用が異なります。
コースに必要な金額以外にも、公立と同様に交通費や施設費などの支払いが必要となります。
スクーリング日数が多ければ多いほど施設費も高額となるため、学費以外の諸経費も考え学校を選びましょう。
サポート校にかかる学費とは?
通信制高校ではカバーしきれない学習サポートを受けられるサポート校は、通信制高校とは切り離せません。
通信制高校から大学進学を目指す方の場合、サポート校の利用は志望校合格の大きな助けとなります。
大学進学を検討している方はサポート校の特徴や費用も把握しておくことをおすすめします。
以降では、サポート校について解説します。
関連記事:通信制高校から大学進学できる?大学進学に強い通信制高校や選ぶコツを解説
サポート校とは
サポート校とは通信制高校入学時に進められる学校です。
通信制高校に通う生徒を支援するために設けられた学習の場であり、講師やカウンセラーが在籍し生徒の学習をサポートします。
通信制高校と同時期に入学するパターンが多く、入学する際には別途費用が掛かるため注意が必要です。
なお、サポート校では通信制高校を3年間で卒業するための学習支援や精神面のケア、学習相談をおこなっており目的に応じた学習がしやすい環境が整っています。
また、在籍するカウンセラーは生徒1人ひとりの悩みや不安にきめ細やかなサポートやアドバイスをおこなうため、不登校などで学校に行けなかった方も安心して通学できます。
サポート校の費用相場は30万~120万ほど
サポート校は通信制高校に併設しているケースが多くなっていますが、別途料金がかかります。
費用は通学日数やコース、学校ごとに異なりますが、設備や教員体制が充実している場合、入学金は50,000~200,000円と高額になるケースもあります。
例としてサポート校であるトライ式高等学院は入学金80,000円~、授業料375,000円の他に施設設備費34,000円が別途必要となります。
特定の勉強をするコースはさらに費用がかさむほか、施設や設備を使用する必要もあるため普通科や普通コースよりも高額な学費がかかってしまいます。
サポート校は大学進学や日々の学習サポート、精神的ケアの観点からも入学すべき学校です。
しかし、通信制高校とは別途費用がかかるため、入学を検討する際は費用面で負担のない学校を選ぶことをおすすめします。
通信制高校の就学支援金制度を利用する方法
通信制高校では授業料などの負担を軽減させる方法として、就学支援金制度の利用が可能です。
就学支援金は返還不要の支援金となっているため、実質授業料の無償化ができます。
以降では、高等学校等就学支援金制度について解説します。
高等学校等就学支援金制度とは
高等学校等就学支援金制度とは平成26年4月から利用できるようになった制度であり、公立私立関わらず一定の基準を満たしている生徒に支払われる支援金です。
公立か私立によって受けられる支援金が異なるため、高額な学費となる私立でも経済的負担を軽減し学業に励むことが可能です。
受給するためには下記の要件を満たす必要があります。
- 親の収入合計が910万円以下である
- 通信制高校の場合、在籍年数が4年以内である
- 年間30単位、通算74単位までの授業料である
上記の要件を満たすこと国から就学支援金が支払われます。
なお、単位を落とした場合、落とした分の授業料は自分で支払う必要があるため注意が必要です。
支援金の支給額は通信制高校の場合、公立高校が月額520円、私立高校は月額9,900円が支給されます。
支援金は世帯所得や通う学校により加算支給される場合もあり、単位制ごとに授業料が設定されている通信課程では支給額が異なる場合もあります。
公立私立の支給限度額や加算額は下記の通りです。
種類 | 公立 | 国立 | 私立 |
---|---|---|---|
支給期間 | 48月 | 48月 | 48月 |
支給限度額 (定額授業料の場合) |
520円/月 | 9,600円/月 | 9,900円/月 |
加算額 (定額授業料の場合) |
– | – | 14,850円/月 |
支給限度額 (単位制授業料の場合) |
336円/単位 (通算74、年間30単位まで) |
– | 4,812円/単位 (通算74、年間30単位まで) |
加算額 (単位制授業料の場合) |
– | – | 7,218円/単位 (通算74、年間30単位まで) |
私立は公立よりも支援金が高額となっているため、負担を軽減し学業に励めます。
高等学校等就学支援金は世帯年収に応じて支払われ、低所得であればその分多く支援金を受け取ることも可能です。
年収250万円未満の世帯であれば基準額の2.5倍を支援金として受け取れ、250~350万円であれば2倍、350~590万円であれば1.5倍の支援金を受け取れます。
高等学等校就学支援金は返還不要の支援金となっているため、実質授業料の無償化が可能となります。
なお、上限金額以上の差額は自己負担となるほか教科書代や施設利用費は自費負担となりますが、授業料を大幅に抑えることが可能であるため希望の学校へ進学しやすくなりました。
就学金制度以外の学費を抑える方法
高等学校等就学支援金以外にも各都道府県の自治体がおこなっている奨学金や、一般法人がおこなっている奨学金の利用で学費を抑えることが可能です。
また、特待生になることで授業料を全額免除できる学校も存在するため、大幅に学費を抑え学業に励めます。
私立の通信制高校へ進学を検討しているけれど、学費などに懸念点がある方はぜひ奨学金や特待生制度を利用しましょう。
以降では、高等学校等学支援金以外に利用できる奨学金制度や特待生制度について解説します。
各自治体の奨学金を利用する
各自治体では、経済的な理由で高等学校進学が難しい生徒を対象とした奨学金制度をおこなっています。
例として、東京都立学校等給付型奨学金制度の給付限度額は30,000~50,000円ほどとなっています。
給付額は自治体により異なるため、各自治体の奨学金制度を調べることをおすすめします。
なお、給付以外に返済が必要となる貸付奨学金も存在しており、貸付を受けるためには連帯保証人を立てる必要があるため注意しましょう。
あしなが奨学金を利用する
あしなが奨学金はあしなが育英会が病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもや障がいなどで親が十分に働けない子どもへ奨学金・教育支援・心のケアをおこなう民間非営利団体です。
あしなが育英会では奨学金の支援をおこなっており、その他の奨学金と同時に利用できる特徴があります。
貸与部分は20年かけて無利子で少しずつ返せるほか、進学や生活困難などの事情がある場合は返還を伸ばすこともできるため無理なく返済できます。
貸付金額は下記の通りです。
- 公立:25,000円
- 私立:30,000円
なお、私立高校の入学一時金として300,000円を借りることもでき、経済的な理由で進学を諦めていた方でも希望校への進学が可能となっています。
特待生を目指す
奨学金などを借りずに学費を抑えたい方は特待生制度を利用しましょう。
特待生制度は通信制高校でもおこなわれており、一定の基準をクリアすることで特待生として授業料以外の学費の一部免除や施設利用費の半額免除などを受けられます。
特待生にはいくつか種類があり、主な種類は下記の通りです。
- 学力特待生
- スポーツ特待生
- 芸術分野の特待生
- 経済特待生
学力特待生は一定の成績を収めるほか、各学校の規準をクリアすることで選ばれます。
例として、一ツ葉高校では下記の条件をクリアすることでそれぞれの特待生に選ばれます。
スポーツで全国大会出場経験がある方や、学業で優秀な成績を収めた経験がある方は特待生制度の利用をおすすめします。
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学費は通信制高校によって異なります。
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通信制高校の学費は制度で抑えられる!
今回は通信制高校の学費について解説しました。
通信制高校は公立と私立で学費が大幅に変わるほか、授業料以外にも通学費や教科書代なども考えなければいけません。
費用を抑えて入学したい方は公立の通信制高校をおすすめします。
大学進学や特定のスキルを学びたい方は、私立の通信制高校を利用しましょう。
なお、学費は奨学金や高等学校等就学支援金などを利用することで大幅に負担を軽減できるため、経済的に厳しい方はぜひ奨学金制度などの利用を検討しましょう。