中学受験、高校受験、大学受験のいずれの考査でも審査基準として活用され、近年ますます重要度が高まっているのが日本英語検定協会が実施している英検Ⓡ試験です。
この英検のなかで、最も初級レベルなので英検5級です。
「中学初級程度」が目安の英語力になっていますが、近年では小学生でも英検5級にチャレンジすることは珍しくなくなりました。
ここでは、この英検5級について、その難易度や合格するための効果的な勉強法などについてお話をしていきたいと思います。
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英検5級のレベルとは?
冒頭でお伝えした通り、英検5級の目安レベルとしては「中学初級程度」というのが公式サイトに案内されています。
公式サイトによると、英検5級は「英語を習い始めた方の最初の目標」であり、出題内容としても「家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題」が出題されます。
「スピーキングテストも受験可能」とは書いてありますが、こちらのスピーキングテストは現在は合否判定には含まれない項目となっているため、実質的には「筆記」と「リスニング」のテストだと言えるでしょう。
それでは次に、英検5級で出される単語のレベルや問題のレベルはどうなっているのか、もう少し具体的にみていきます。
英検5級に出る単語レベル
英検5級は英語学習を始めたばかりの小学生や初学者向けの試験ですので、難解な単語が出題されることはなく、あくまでも基本的な英単語を覚えていれば大丈夫です。
語彙レベルとしては、日常生活で頻繁に使われる約600語が目安です。
この中には、家族、学校、食べ物、動物、天気、色など、身近なものや簡単な表現が含まれます。
例として挙げると下記のようなものがあります。
- 「mother(母)」
- 「school(学校)」
- 「apple(りんご)」
- 「dog(犬)」
- 「sunny(晴れ)」
- 「red(赤)」など
これらの英単語は、日本で生活していれば普段から耳馴染みがあり、絵本や初級英語教材でもよく出てくる単語ですので、小学生にとっても覚えやすい、または「どこかですでに聞いたことがある」というようなものが多くなっていると思います。
また、名詞だけではなく、基本的な動詞や形容詞も出題されます。
- 「run(走る)」
- 「eat(食べる)」
- 「big(大きい)」
- 「happy(幸せ)」
上記の単語を覚えることで、簡単な英語の文章を理解しやすくなります。
英検5級の語彙は、英語学習の基礎を固めるための重要なステップであり、次のレベルへの橋渡しとなります。
このレベルの単語をしっかりと覚えることで、今後の英語学習がスムーズに進むでしょう。
英検5級の問題レベル
英検5級の問題レベルは、基本的な英語の理解力を測るためのもので、小学生でも無理なく挑戦できる内容です。
審査領域は以下の通り。
リーディング・リスティング・スピーキング・ライティングの英語4技能の観点から審査をしていますが、いずれも「初歩的な」という形容詞がついています。
リーディングセクションでは、簡単な短文や日常的な会話文を読み、内容理解を問う問題が出題されます。
例えば、「This is a book.」や「I like apples.」といった簡単な文を読み、その内容についての質問に答える形式です。
問題の選択肢もシンプルで、絵やイラストを使った問題も多く、視覚的に理解しやすくなっています。
リスニングセクションでは、短い会話や単語の発音を聞き取る問題が出題されます。
音声はゆっくりとしたスピードで、はっきりと発音されるため、初心者でも聞き取りやすいです。
例えば、簡単な挨拶や自己紹介、物の名前を聞き取る問題が中心です。
全体的に、英検5級は英語学習の初期段階にある学習者が基本的な英語のリスニングとリーディングスキルを確認するための試験です。
試験に取り組むことで、学習者は自信をつけ、英語の楽しさを感じることができるでしょう。
英検5級の問題構成とは?
それでは次に、英検5級の過去問を見ながら、どのような問題構成になっているのかについて、具体的にお伝えしていきたいと思います。
リーディング問題
英検5級のリーディングセクションは、基本的な読解力を測るためのもので、前述の通り、解答時間は25分間です。
問題数は15問程度で、大きく分けて3つのパートに分かれています。
第一パートはリーディング問題です。単語や簡単なフレーズを選ぶ問題が出題されます。
例)Students play the piano and the guitar in Ms. Suzuki’s ( ) class.
- gym
- pizza
- train
- music ※4択から1つ正解を選ぶ
第二パートもリーティングパートです。
短い会話文を読んで、その内容に関する質問に答える問題が出題されます。
例)Boy: Do you like comic books?
Girl: Yes. ( ).
- It’s a book.
- I often read them.
- It’s 500 yen.
- We can do that.
第三パートでは、文章の並び替え問題になっています。
こちらは、実際に書くわけではありませんが、一応分類としては文章の組み立てを問う問題ですので、リーディングセクションではありますが、ライティングの分野にも通じる出題なのかな、と思います。
例) 子供たちは公園にいますか。
- at
- the children
- the park
- are
( ) ( ) ( ) ( )? ※1番目と3番目にくる言葉の組合せを4択から選ぶ
このように、リーディングセクションは、基本的な文法や単語の理解を確認するためのもので、初学者でも無理なく取り組めるようになっています。
このセクションを通じて、英語の文章を読む楽しさを感じてもらうことが目的です。
リスニング問題
英検5級のリスニングセクションは、聞き取り能力を測るために設けられており、こちらも約25分間を使って行われます。
問題数は20問程度で、3つのパートに分かれています。
第一パートでは、イラストを参考にしながら英文を聞き、その文に対する応答として最も適切なものを選ぶ形式です。
例)Can I watch TV, Mom?
- To school.
- I have some.
- Sure you can.
※問題用紙には、母子が会話をしている様子の絵が描かれているだけで、上記英文については表示されていません。
第二パートでは、対話を聞き、その後、その対話についての質問があります。
そしてその質問に対して最も適切な答えを1~4の選択肢のなかから選ぶ形式です。
会話の内容は、日常的な場面や簡単なやりとりが中心です。
例)Is your brother playing basketball?
No, he’s climbing a tree.
Question: What is the boy’s brother doing?
※男の子が何をしているか、という質問に対して上記の英文を読んで、下記の中から最も適切な文章を選択する形式
- He is playing basketball.
- He is picking flowers.
- He is eating lunch.
- He is climbing a tree.
第三パートでは、絵の内容を最もよく表しているものを、放送される 3 つの英文の中から一つずつ選ぶ形式です。
音声ははっきりとした発音で、初心者にも聞き取りやすいスピードで流され、2回、繰り返し読まれます。
- Jane is dancing with her friends.
- Jane is running with her friends.
- Jane is speaking with her friends.
※女の子がお友達をお話している絵を見ながら3つの英文を聞いて、絵と英語の内容が合致しているものを選択する
このようにリスニングセクションは、基本的なリスニングスキルを確認するためのもので、実際のコミュニケーション場面を想定した問題が多く出題されます。
初歩的レベルですので、実際の英会話ではあまりないほど、ゆっくり・はっきりと発話された英語を聞いて回答するという形です。
それでも、リスニングの基礎力やリスニングに対する基本的な方法を養うことが出来ますし、リスニング練習をすることによって、英語の音に慣れて、聞き取りの自信をつけることはできると思います。
スピーキング問題
英検5級では、スピーキングテスト自体は存在していますが、そのテスト結果については、級認定の合否には影響しません。
逆に、一次試験の合否に関係なく受験できるテストなので、3級以上の面接試験のように1次試験にパスしなかった人は受験そのものができない、というものではなく、5級を受験した人であればだれでも受験が可能です。
テストは、パソコンやタブレットを使用してオンラインで行われる形式です。
受験者は専用アプリをインストールし、自分の声を録音して回答します。
試験時間は約5分で、簡単な質問に答えたり、絵について説明したりする内容です。
また、結果はスコアとして評価され、一定スコア以上を取得することによって「合格」と認定されることになります。
合否には関わらないのですが、スピーキングテストを受けることによって、お子さんのスピーキングスキルを確認する良い機会となりますし、今後の学習の指針とすることが可能です。
英検5級のスピーキングテストを受けることで、実際に英語を話す自信をつけ、次のレベルに向けたモチベーションを高めることができると良いな、と思います。
英検5級の合格率や合格点はどれくらい?
あくまでも初歩の英語力を総合的に問うという英検5級ですが、その合格率や合格点はどのようになっているのでしょうか。
英検5級の合格率
英検協会では過去には合格率を表にして公表していたのですが、残念ながら10年ほど前からはこのデータを公表しなくなってしまいました。
そのため、残念ながら英検5級試験についての合格率は正確に知ることはできません。
ただ、どのような試験であっても、級のレベルが上がるほどに合格率は低くなっていくものですから、そういう意味では初歩的な内容を問う英検5級のテストについては、単なる個人的な予想ですが少なくとも7割以上は合格を手にできているのではないかな、と思います。
英検5級の合格点
合格率は分かりませんでしたが、合格点については、きちんと公式サイトで合格の目安として公表されています。
上記の表を見てみると、英検5級については1次試験のリーディング・リスニングの試験の満点が850点であり、その約半分、419点が取れていれば合格できる、ということが分かります。
※英検5級の満点は「1,275点」という表記がありますが、これは合否には関係のないスピーキングテストの点数を含んだものです。
合否については、リーティング・リスニングの満点である850点のなかから419点以上を取れば良い、ということになっています。
公式サイトでは、過去問も公表されていて実際に解いてみることができますので、まずはこれを解いてみて、7割程度正答が出来ていれば、自信を持って受験に挑んでも良いのではないかと思います。
英検5級に合格できるおすすめ勉強法
そうは言っても、まだまだ小さな小学生が、英検5級に受かるには、もちろん一定の努力と学習の積み重ねが必要にはなってきますね。
次は、英検5級に合格できるためのおすすめ学習方法についてご紹介したいと思います。
毎日の英単語学習の積み重ね
英検5級の試験では、今までお伝えした北通り、基本的な語彙力が問われます。
毎日少しずつ単語を覚える習慣をつけることで、無理なく語彙を増やすことができます。
おすすめは、単語カードや専用のアプリを使って、繰り返し学習する方法です。
例えば、「apple(りんご)」を覚えたら、「I like apples.」という文を作ってみると良いでしょう。
リスニング力の強化
小学生など、年齢が小さなお子さんが得意分野になれるのが、このリスニングパートです。
柔軟に英語を聞くことができる年齢だからです。
小学生が英語のリスニング力を高めるためには、英語の音に慣れることが大切です。
毎日少しずつ英語の音声を聞く時間を作りましょう。
また、英語のアニメや子供向けの番組を視聴することで、楽しみながらリスニング力を鍛えることができます。
耳から入る英語に慣れておくことで、試験本番でも自信を持って取り組めるようになります。
模擬試験の活用
過去問や模擬試験を繰り返し解くことで、試験の流れや時間配分を把握できます。
特に、本番と同じ環境で時間を計って解くことで、試験当日の緊張感を和らげることができます。
また、間違えた問題はそのままにせず、なぜ間違えたのかをしっかりと復習して、次は間違えないように注意をしながら学習をしていくとより効果的だと思います。
英検5級に挑戦する際の注意点
小学生が英検5級の受験に挑戦する際に、気を付けておくべき点についても、以下に3つまとめてみます。
せっかく今まで頑張ってきたお子さんの努力も無にしないように、特に保護者の方に気を付けて頂きたいという点をまとめましたのでご一読ください。
試験の日程と申込方法の確認
中学生や高校生では、学校での一斉受験を行うという機会も多いと思いますが、小学生が英検5級を受験する際は、個人的に申し込んで受験をすることが多いと思います。
この際、親御さんの方では試験の日程と申込方法をしっかりと確認しておくことが大切です。
試験は年に3回行われますが、申込締切日や試験実施日を見逃さないようにして、試験日から逆算して学習のスケジュールを立てると良いでしょう。
お子さんによって準備に必要な期間はまちまちだと思いますが、あまりに長すぎるとモチベーションを保たせるのが大変になりますのでそのあたりも気を付けて学習をスタートさせてください。
試験の申し込みはオンラインで行うことが一般的ですが、私立学校の場合は学校や、あるいは塾・公文等を通じて団体受験をする場合もあるかもしれません。
いずれにしても、早めに情報を集め、スムーズに申し込みを完了させましょう。
体調管理
試験当日に、万全の体調で臨むことができる、ということは合否に関わる非常に重要なポイントです。
特に体調が安定しないお子さんですので、試験前日はしっかりと睡眠を取り、朝食をしっかり摂ることを心がけましょう。
お子さんによっては、試験当日には緊張して食欲がなくなることもありえます。
そうしたときには、無理やり食べさせずに、食べやすい、軽めの食事を用意しておくと良いでしょう。
試験会場への移動も含め、余裕を持ったスケジュールを立てることで、焦らずに試験に集中できます。
試験当日の持ち物確認
試験当日に必要な持ち物については、必ず前日の夜までにチェックしておいてください。
鉛筆は、きちんと削れている状態でしょうか。
消しゴムはおもちゃ消しゴムのように消え方がイマイチというものではなく、きちんと機能性の高い消しゴムになっていますか。
慣れないマークシート形式のテストに挑む子供たちですので、筆記用具についてはきちんと筆箱を開けて親子で中身のチェックもしてください。
また、試験会場の場所やアクセス方法も事前に調べておくと安心です。
忘れ物や遅刻を防ぐために、余裕を持った準備を心がけましょう。
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家庭教師の代わりに、英語塾に+αで、といった使い方をしてくださっている生徒さんも多数います。
毎月課金のサブスクリプションシステムではなく、「欲しいときに欲しい分だけ」レッスンポイントが購入できるチケット制に近いシステムになっています。
そのため英検対策レッスンを受講したいときに集中して受講する、テストが終わったらしばらくレッスンをお休みする、といった柔軟な受講方法が選択できるため、英検を目的に学習したい生徒さんには最適なスクールです。
英検5級合格に向けて対策しよう!
今までお伝えしてきた通り、英検5級は初歩的な英語の総合力が問われる試験です。
やる気になれば、お父さま・お母さまが先生となってお子さんに指導をしていく、という方法でもお子さんを合格まで導くことは不可能な試験ではありません。
でも・・・・親子だと、ちょっとどうしても素直に学習が出来ない。親は英語が昔から苦手だった。というような場合には、素直に外部の力を頼って学習をしていくのが合格への近道です。
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