日本で最も知られている検定試験、といっても過言ではないのが日本英語検定協会が実施する英検®です。(運転免許の次ぐらいの地位と言ったら言い過ぎでしょうか?笑)
英検は、毎回多くの方が受験をすることから、本会場という英検協会が用意した会場のほかに準会場と呼ばれる会場で受験することも出来ます。そして、驚くべきことに準会場の受験と本会場の受験では、検定料も異なるのです。ほかの資格試験で、別の会場で受けるだけで受験料が変わるっていうことはあまり聞きませんよね。
ここでは英検の準会場と本会場との違いや、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介していきます。
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英検の「本会場」と「準会場」の違いとは?
それでは、まずは具体的に準会場と本会場ではどんな違いがあるのかについて、一つ一つ見ていきたいと思います。
「本会場」とは &「準会場」とは
本会場とは、全国47都道府県の約230都市、および海外4都市に協会が設置する公開会場のことです。個人で英検の受験申込みをする場合は、通常はこちらの本会場に出向いて受験をすることになります。
一方、準会場とは、協会が準会場として認めた団体が設置する試験会場のことです。塾や学校、英語教室などの団体が日本英語検定協会に申請を行って一定の条件をクリアして認定されると、準会場となり、いつもの教室を英検の受験場所として使うことが出来るようになっているのです。
準会場になるには、受験者が10名以上いることや席の配列などの基準をクリアする必要がありますが、多くの公文教室や塾では準会場として登録していますので、それほど厳格な基準があるわけではなさそうです。
以前は、こうした塾や教室に通っている生徒だけが準会場での試験を受けられる、というケースが多かったのですが、現在では外部生を受け入れている塾やスクールも多く、英検公式サイトでは「一般受験者受入れ団体一覧」(←受付期間外は表示されません)のページで、全国の外部生を受け入れている準会場がリストになって掲載されています。
※上記に掲載されたスクールの全教室が準会場になっているわけではありませんので、詳しくは受付期間内に英検の公式サイトをご確認ください。
試験日程の違い
まず一番目の違いとして、本会場と準会場では、受験日程が異なっています。
準会場の場合、筆記(リーディング・リスニング・級によっては+ライティング)が行われる一次試験の日程は、A日程からF日程まで6日間もあり、その中から準会場の方で設定した日程で受験をします。準会場によっては、複数の日程で試験が行われることもありますが、受験者が受験できるのは、あくまでそのなかの1回だけであり、日程も受験者自らが選べるわけではありません。
公式サイトにも以下のように記載がされています。
「塾ごとに、英検担当の先生が決定します。(受験者様は決められません。)」
※日本英語検定協会>近隣の一般受験者受け入れ団体でのお申し込みを検討している方
なお、準会場のF日程の日は、本会場での試験日程と同一になっています。試験時間についても、F日程では本会場と同じ時刻に開始・終了します。
一方で、A日程~E日程までは準会場として登録・認定された各団体の任意設定ができるようになっているため、公式サイトを見ても試験開始時間を確認することはできません。
検定料は違っても、合格してしまえば当然ですが同じ資格が与えられます。であれば、検定料は安い方が良いに決まっていますね!
準会場で英検受験の申し込みをする際には、必ず試験の開始時間・終了時間を予め確認しておく必要があるので注意してください。
受験料の違い
私が最も注目すべきだと感じる本会場と準会場との違いは、この「受験検定料に差がある」という点です。準会場の方が割安な検定料になっており、なんと最大で4割近くも安くなるという級もあります。一覧表で見てみましょう。
級 | 1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
本会場検定料 | 12,500円 | 10,500円 | 9,100円 | 8,500円 | 6,900円 | 4,700円 | 4,100円 |
準会場検定料 | 設定なし | 設定なし | 6,900円 | 6,100円 | 5,000円 | 2,900円 | 2,500円 |
いかがでしょうか?最低でも1,600円、最大では2,200円も準会場の方がお安く受験できるのです!会場費が掛からないとか、試験官を塾などの先生が行ってくれて人件費も必要ない、という事情はあると思いますが、それにしても受験会場によって同じ試験なのに検定料が変わるというのは、非常に珍しい資格試験だな、と思います。
結論: 少なくとも金銭的には準会場の方がお得です!
その他の要素はともかくとして、少なくとも金銭的には準会場の方がお財布に優しい金額設定になっています。
受けられる試験の違い
このように、金銭的には準会場をイチ押ししたいところではあるのですが、準会場の場合には受験できる級に制限があります。
上記の金額表を見てもお分かりの通り、英検1級と準1級については準会場での受験が認められていません。
もともと準会場として登録されているのは、学校や小中学生向けの塾であることが多い為、英検1級と準1級については、受験者数が確保できないからなのでしょうか。あるいは上位級である英検1級と準1級については、不正がないように本会場で「よりしっかりとした受験環境?」での受験を求める、ということなのでしょうか。
公式サイトを見ても「1級、準1級は本会場のみ」とサラっと書いてあるだけで、その理由については記載されていません。
日本英語検定協会は、このことについて、しっかりと理由も含めて公式サイトに明記すべきだと思います。
なお、受けられる級だけではなく、すべての級において面接試験(二次試験)は準会場では実施されません。
これについては、準会場実施=公文の先生や塾の先生が面接官をする、というのは公平性の観点からも適当ではありませんので準会場での実施がないことについては違和感はありません。
英検準1級・1級については準会場では受験できません。また二次試験(面接試験)も準会場では受験できません。
英検を準会場で受験するメリット
このように、受験級が限定される・二次試験は受けられないなどいくつかの制限がある準会場での英検受験ですが、それでも準会場で受験をする場合にはかなり大きなメリットがあると思っています。
以下、準会場で受験をするメリットについてまとめてみます。
受験料が安い
まず何と言っても、この検定料の安さが準会場受験の大きな魅力ですね!
特に「今回はうちの子、記念受験かもなー」という状況での受験。そう、「見込みはあまりないけれど、一応チャレンジさせてみよう!」といった状況での受験チャレンジの場合では、受験料は少しでも安くあって欲しいというのが保護者の本音ではないでしょうか。
まあもちろん、合格見込みが高い場合であっても、検定料はやっぱり安い方が良いですけれどね。
検定料は違っても、合格してしまえば当然ですが同じ資格が与えられます。であれば、検定料は安い方が良いに決まっていますね!
試験会場を選べる
もう一つの魅力として、準会場では自分で会場を選んで申し込むことができるというメリットがあります。
本会場の受験の場合には受験の前にハガキが送られてきて「あなたの受験会場は○○です」と一方的に会場を指定されるのですが(希望エリアは事前に選ぶことが出来ます)、準会場の場合には、ご自身で会場を選んで自らその会場に申込みをするという形になっています。
普段通っている塾や、お友達が通っている公文教室等に、お友達と一緒に申込み・受験が出来るのです。
特に小学生が英検受験をするときには、本会場だと遠くて会場も広いことが多い為、親が送迎してびっちり付き添う必要があることが多いですが、準会場であれば子供が一人で行って帰ってくることも出来るケースが多いでしょう。
また、予め試験日程がA日程~F日程のどこで開催されるのかを調べれば、自分の都合に合わせた日程で受験をすることもできます。
(会場によっては、自由に選択できなかったり、会場側に日程指定をされてしまう場合もありますので事前確認が必要です)
準会場の方が、自宅により近い場所で受験できるという可能性が高いです。
試験開始までの待機時間が短い
本会場の受験で、かなり大きなストレスとなるのが「待ち時間の長さ」です。本会場として指定されているのは、大学や私立の中学校・高校などの比較的大きなところが多いです。
そのため、会場入り口に着いてから試験開始まで1時間半程度も掛かる、というケースが珍しくありません。
一方で、準会場の場合には受験者数も比較的少なく、会場入りしてから試験開始までの時間に1時間以上もかかる、というケースはあまりないでしょう。
これは、特に集中力が続きにくい小学生以下の受験生にとっては大きなメリットです。
準会場の方が、待ち時間が少なくてストレスも少ないです!
準会場で受験するデメリット
ここまで読んで「うちの子供は絶対に準会場で受験させよう!」と鼻息荒くしている保護者の方々も多いかと思います。(私も、自分の子供には準会場で受けさせれば良かった~と、後悔しきり💦)
ただし、準会場で受験をする場合には実は少々面倒なこともあり、全てにおいて準会場の方が有利、というわけではないのです。
受けられる級が限られる
これは前述の通りです。面接官との面接が行われる二次試験が準会場では無理、というのは分かるのですが、筆記試験(ヒヤリング含む)であっても受験が出来ない級が存在しています。
合理的な理由は見つけにくく、公式サイトにもなぜ英検1級と準1級は準会場では対応していないのかについては記載がありません。
とにかく準会場では受験が出来ない級があるということは覚えておいてください。
準会場で受験ができるのは5級~2級の一次試験に限られています。
合否結果が準会場団体に届く
本会場と異なり、申し込みから検定料の支払いなどの事務作業は、原則としてその準会場が自由に取り決めを行っており、受験者はそれに従います。
合否結果(成績表)についても、多くの場合は準会場に取りに行くという必要が出てくることが多いです。(もっとも、受験結果については本会場でも準会場でもインターネットで合否を見ることは可能です)
気にする方は少ないと思いますが、郵送でもらう場合と違って合格・不合格については、準会場の先生方には知られてしまうということになります。
準会場では受験後の成績表は郵送されないケースがほとんど。取りに行く手間も考えて、準会場を選ぶ必要があります。
申込などに手間がかかる
本会場の場合、現在ではインターネットで簡単に申し込みが出来て、検定料も申込みと同時にカード決済まで終わらせてしまうことが可能です。
一方で、準会場の場合には、多くは直接その準会場に出向いて申し込みをする必要があります。検定料についても、未だアナログに「封筒に検定料をおつりなく現金で入れて」手渡しをする、というような会場も少なくありません。
近くにある塾やスクールで、小規模・アットホームな会場で受験をするということは、一方でシステマティックに合理化されていない部分もありますので、その点は予め理解をしておいた方が良いでしょう。
準会場では、申し込みも検定料の支払いもアナログなところが多いです。
準会場の受験がおすすめの人
上記の通り、準会場で受験する際にはメリットと共に、いつくかのデメリットもあります。
ですが総合的に考えると私はメリットの方が大きいかな、と思います。
特に会場入りしてから試験開始までの時間が長いというのは、受験生にとっては大きなストレスです。ましてや、集中力の続きにくい小学生などの受験生にとっては、時間効率が良い準会場での受験はおすすめです。
「検定料を安くしたい人」「試験開始までの待ち時間を短くしたい人」は準会場を選ぶと良いと思います。
準会場で受験する際の注意点
筆者おすすめの準会場での英検受験ですが、本会場とは異なる点も多いです。
ここからは準会場で受験をする際の注意点を3点挙げていきます。
試験日及び試験開始時間を事前に確認する
英検は、ご存じの通り年に3回実施されている資格試験です。第一回、第二回、第三回共に準会場ではA日程からF日程まで会場によって開催日が異なり、開催時間も会場ごとに設定をしています。
そのため、例えば同じ英検試験を受ける場合であっても、クラスメイトが「○○塾で午後3時に受験する」からと言って、自分(のお子さん)が同じ日の午後3時から試験が始めるとは限らないということです。
準会場に申し込む際には、受験日と試験開始時間(受付時間)をしっかりと確認しておく必要があります。
試験環境に順応するための準備
準会場では、試験環境が公式会場とは異なる場合があるため、その環境に順応するための準備が必要です。例えば、準会場によっては空調の効き具合や照明の明るさ、机と椅子の配置など、本会場ほどの環境が整っていない場合があります。
特に気を付けたいのがリスニングテストのときの音響設備です。会場によっては、残念ながらしっかりとした音響設備が整っていない場合もありえます。
出来れば過去に同じ準会場で受験した人に、「リスニングテストで聞きにくいことはなかったか」などのヒヤリングが出来ると良いでしょう。
また、多少聞きにくい環境でも慌てないように、普段から例えば少し遠くに音声プレーヤーを置いて過去問を解いておくなどの準備をしておくなどしておきましょう。
試験に必要な持ち物を確認する
準会場での試験には、筆記用具や受験票、写真付きの身分証明書など、必要な持ち物を忘れないようにすることが大切です。公式会場と異なり、準会場では試験当日に備品の貸し出しが限られている場合があり、忘れ物をすると試験に支障をきたす可能性があります。
また、持ち物に関しては事前に公式サイトや学校からの案内をしっかりと確認し、試験当日に慌てないように準備を整えておきましょう。
準会場で受験する手順
準会場で受験をする場合の、申し込みから受験後の成績表を取りに行くまでの手順をご紹介します。
1.希望会場を決める
まずは、公式サイトの「近隣の一般受験者受け入れ団体でのお申し込みを検討している方」(←申し込み期間中以外はアクセスできませんのでご注意ください)のページから、なるべくアクセスのよい会場を選んで直接準会場団体に連絡を取ります。
注意頂きたいのが、準会場は比較的小さな会場ですので定員が決まっているということです。すごく近くに一般受験者を受け入れている団体があったとしても満員になってしまうと、その会場では受験できません。
そのため、受験会場は出来るだけ早めに決めて、申し込みをすることが大切です。
2.受験希望団体へ申込み
定員に空きがあり、受験できる会場が決まったら早めに申し込みをしましょう。
申込みの方法は、会場によって異なりますので詳しいことは各団体の担当者に確認してください。
検定料金は振込などのケースもあるかもしれませんが、基本的には申込書と同時に持参というケースが多いと考えておきましょう。
神奈川県で受験をした知り合いの場合は、申込用紙と「本人確認票」を記入して検定料と共に提出をしていました。ほかの地域でも同様の書類の提出が求められる可能性が高いです。
3.試験当日
準会場の場合、本会場での受験と違って「受験票」はありません。当日の準備で「あれ?受験票が無い?!」と焦ってしまうかもしれませんが、もともと原則としては受験票がありませんので安心してください。
その代わり、受験の当日に受験票への記入を行います。また、ここでウェブで合否を確認するための暗証番号は数字6ケタを自身で設定して記入します。
小学生の受験者の場合には、保護者が代理記入をすることも可能です。
※保護者は試験の何分前まで同席できる?
「保護者の方には、一次試験は「解答用紙の必要事項記入の代筆・補助」のために、試験開始5分前までの試験教室への入室を認めております。」
~英検 for kids! 公式サイトより抜粋~
4.受験後、問題用紙を取りに行く
準会場での受験の場合でA日程からE日程で受験をした場合には、試験終了後に問題用紙が回収されてしまいます。
問題用紙はF日程が終わったタイミング以降で、もらうことが出来るようになります。もっとも、配布をいつ行うかというのは準会場団体によって別途設定していることも有り得ます。
事前に「問題用紙はいつから取りに行くことができますか」と聞いておくと良いでしょう。
5.合否を確認する
準会場の場合も本会場の場合も、現在ではインターネットで合否が確認できるようになっています。
公式サイト内の英ナビ!にログインして、試験当日の解答用紙に記入されていた「7ケタの個人番号」と当日設定した「6ケタの暗証番号」を入力すると合否を確認することができます。
※英ナビ!ログインをするには、事前にメールアドレスの登録が必要になります。アカウントを持っていない場合には、登録をしてからログインに進んでください。
6.成績表を取りに行く
準会場での受験の場合は、成績表は個人宅ではなく英検協会から準会場あてに郵送されます。準会場によっては、そこから受験者の自宅に転送をしてくれるところもあるかもしれませんが、多くは、受験者が自分で会場に足を運んで取りに行く必要があります。
このあたりは、多少本会場とは違って面倒な部分がありますが、この郵送費の分も含めて準会場の検定料が安いと考えて頂ければと思います。
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スモールワールドオンライン英会話は、気軽に英会話を楽しむオンライン英会話スクールというイメージとは異なり、しっかり学習をしたい方に向いているオンライン英語教室です。生徒の多くは小学生・中学生・高校生になっていて、家庭教師スタイルで英語や英検を勉強している受講生がたくさんいます。
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英検受験の際には準会場を利用しよう
いかがでしたでしょうか。今回は英検受験の会場には、本会場・準会場があることを解説させて頂きました。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、総合的に考えると私は準会場をおすすめしたいと思います!
(英検準1級・1級を受験する方は別ですが・・・・)
スモールワールドでは、受講生のみなさんが英検受験で良い結果が出ますように、スタッフ一同、心より応援をしています!