今日は、フォニックスのメリット・デメリットを徹底的に分析し、その効果的な学習方法について解説をしていきたいと思います。
フォニックスの基本ルールから、発音改善、リーディング力・リスニング力向上への効果、そして、幼児期からの学習の必要性についてもお伝えしていきます。フォニックス学習を始める前にぜひご一読ください。
親子で受講できるおすすめオンライン英会話15選!ファミリープラン搭載・子供用教材ありのサービスを紹介
スモールワールドオンライン英会話
子ども向けからシニア向けまで多様なプログラムを提供
日本人講師や日本語が話せるネイティブ講師からレッスンを受けられる
フォニックスとは?基本ルールについて
フォニックスとは、英語のつづり=「スペリング」と「発音」との関係のルールを教える教授法のことです。
アルファベットの文字や文字の組み合わせが、どのように発音されるかを規則的に学ぶことで、初めて見る単語でも発音を読み解いたり、聞いた音を書き取ったりすることができるようになります。英語圏の子供たちが読み書きを習得する際に用いられる方法としても知られています。
フォニックスの基本ルール:スペリングと発音の関係性を理解しよう
フォニックスのルールは大きく分けて、単母音、二重母音、子音、子音結合、母音字、子音字などがあります。これらのルールを学ぶことで、英語の発音の規則性を理解し、より正確な発音に近づけることができます。
例:pineとpin、biteとbitの発音の違い
例えば、「単語の語尾が i+子音+e のとき、iを[アイ]とアルファベット読みして、後ろのeを発音しない」というフォニックス・ルールがあります。
これだけ読むと小難しいので、例を挙げてみます。
pinはピン、と読みますが、eを足したpineはピネ、ではなくパイン、と読みますよね。同じようにbitはビット、biteはビッテではなくバイト、と読めます。
「i+子音(pinではn、bitではt)+e」
になっているので、パイン、バイトになるというわけです。
この「マジックe」のルールはフォニックスの代表的な例の一つです。他にも、子音のcは、a、o、uの前では「ク」、i、e、yの前では「ス」と発音されるなど、様々なルールが存在します。
単語 | 発音 | フォニックスルール |
---|---|---|
pine | パイン | マジックe |
pin | ピン | 短母音 |
bite | バイト | マジックe |
bit | ビット | 短母音 |
cat | キャット | 短母音 |
cake | ケイク | マジックe |
アルファベット読みとフォニックス読みの違い
日本語でアルファベットを学ぶ際、「エー、ビー、シー…」と学ぶのがアルファベット読みです。しかし、実際の英単語では、必ずしもアルファベット読みの通りに発音されるとは限りません。
例えば、「cat」はアルファベット読みでは「シー、エー、ティー」となりますが、フォニックス読みでは「キャット」と発音されます。これは、cがaの前では「ク」と発音されるというフォニックスルールに基づいているためです。
なぜcatはシーエートーではなくキャットと読むのか?
catは、短母音のaと、子音のcとtの組み合わせによって「キャット」と発音されます。このように、フォニックスを学ぶことで、アルファベット読みだけでは理解できない英単語の正しい発音を習得することができます。
フォニックスを学ぶことで、英語の綴りと発音の規則性を理解し、より正確な発音と、スムーズなリーディング、リスニング、スピーキングへと繋がります。
フォニックスについては、MPI(松香フォニックス)という団体が日本では有名です。多くのフォニックスに関する著作もありますので、興味がある方は一度そうした本をお読みになってみると良いと思います。
フォニックスのメリット:英語学習に役立つ5つの効果
フォニックスを学ぶことで、英語学習において様々なメリットを得られます。発音の向上やリーディング力の向上はもちろんのこと、学習効率の向上にも繋がるのです。
ここでは、フォニックス学習のメリットを5つご紹介いたします。
発音がきれいになる:カタカナ英語からの脱却
日本語にはない英語独特の音を、カタカナで無理やり表現しようとするのがカタカナ英語です。フォニックスを学ぶことで、英語の音と文字の結びつきを正しく理解できるようになり、よりネイティブに近い、自然で美しい発音を習得することができます。
今までなんとなく聞き流していた英語の音の違いが聞き分けられるようになり、スピーキング力向上にも繋がります。
単語の読み方を推測できるようになる:リーディング力の向上
フォニックスのルールを理解していれば、初めて出会う単語でも、スペルからある程度正確な発音を推測できるようになります。
辞書を引く回数が減り、リーディングスピードの向上に繋がります。また、知らない単語でも発音できるようになることで、リスニングで聞き取れる単語も増え、よりスムーズに英語を理解できるようになります。
音の文字の対応関係を理解できる:リスニング力の向上
フォニックス学習を通して、音と文字の対応関係を理解することで、正しい発音を理解することができるようになります。
リスニング時にも音がクリアに聞き取れるようになり、リスニング力の向上に繋がります。
英単語の暗記がしやすくなる
フォニックスを学ぶことで、英単語を「音」と「スペル」の両方から記憶できるようになります。例えば、「cat」という単語を覚える際に、”c-a-t”と文字をバラバラに覚えるのではなく、「キャット」という音と”cat”というスペルをセットで覚えることで、より記憶に残りやすくなります。
これは、視覚と聴覚の両方を使うことで、より効率的に記憶できるようになるためです。
結果として、単語帳を使った学習も効果的になり、語彙力アップに繋がります。
英語学習の基礎固めができる
フォニックスは、英語の「読み書き」の基礎となるため、早期に学ぶことで、その後の英語学習をスムーズに進めることができます。
英語学習の土台をしっかりと築くことで、より高度な学習にもスムーズに取り組めるようになり、英語学習全体がより楽しく、効果的なものになるでしょう。英語圏の子どもたちが読み書きを習得する際にフォニックスが用いられていることから、その効果は実証済みと言えるでしょう。
英語学習のスタートダッシュを切りたいと考えている方は、ぜひフォニックス学習を取り入れてみてください。
メリット | 詳細 |
---|---|
発音がきれいになる | カタカナ英語から脱却し、ネイティブに近い発音を習得できる。 |
知らない単語も読み方を推測できる | スペルから発音を推測できるようになり、リーディングスピードが向上する。 |
音の文字の対応関係を理解できる | 音と文字の対応関係を理解することで、正しい発音を理解できるようになり、リスニング力が向上する。 |
英単語の暗記がしやすくなる | 音とスペルの両方から記憶できるため、より記憶に残りやすくなる。 |
英語学習の基礎固めができる | 早期に学ぶことで、その後の英語学習をスムーズに進めることができる。 |
フォニックスのデメリットと注意点
フォニックス学習には、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。
特に、幼児期からの学習の必要性については賛否両論あります。フォニックス学習を効果的に行うためには、これらのデメリットや注意点を理解し、適切な学習方法を選択することが重要です。
幼児期からの学習の必要性についての賛否
フォニックス学習を幼児期から始めるべきかについては、様々な意見があります。早期から始めることで、ネイティブに近い発音を習得しやすくなると主張する専門家もいれば、母語の習得に悪影響を及ぼす可能性を指摘する専門家もいます。
子供向け英会話教室では「フォニックスをやっています」ということを売りにしているスクールもたくさんあります。でも、3歳、4歳の幼児たちにまで、フォニックスを熱心に取り入れることについては、少し懐疑的になる必要もあります。
つまり、フォニックスは「音と文字」について学ぶものですので、果たしてこの幼児期に、熱心に「文字」にからんだ学習法を取り入れる意義があるかどうか・・・ということです。
幼児期にフォニックスを導入する場合は、遊びを取り入れるなど、子どもの年齢や発達段階に合わせた適切な方法を選択することが重要です。無理強いするのではなく、楽しく英語に触れられる環境を作ることを心がけましょう。
文部科学省の学習指導要領にも、小学校高学年からの英語学習でフォニックスを取り入れることが明記されています。まずは小学校学習指導要領を確認し、お子様の年齢に適した学習方法を選択しましょう。
デメリット:フォニックスのみに偏った学習はやめよう
フォニックスは英語学習において非常に有効なツールですが、万能ではありません。すべての英単語がフォニックスのルール通りに発音されるわけではないため、フォニックスのみに偏った学習を行うと、例外的な単語の読み方を習得できない可能性があります。
また、フォニックスはあくまでも原則としては「つづりと発音の関連性」を学ぶもの、すなわち「読む」「書く」を補助するための法則を学ぶものであり、「聞く」「話す」といった他の技能の習得には、フォニックス以外の学習方法も併用する必要があります。
例えば、英語の絵本の読み聞かせや、英語の歌を歌うなど、様々な方法で英語に触れる機会を増やすことが大切です。フォニックス学習と並行して、オンライン英会話や英語学習アプリなどの英語学習リソースを活用することで、バランスの取れた英語力を身につけることができます。
また、フォニックスのルールは複雑で、例外も多いです。そのため、ルールをすべて暗記しようとすると、学習に負担がかかり、英語学習そのものが嫌になってしまう可能性があります。
特に、日本語にはない音や発音ルールもあるため、日本人学習者にとっては難しいと感じる部分もあるでしょう。完璧を目指さず、まずは基本的なルールを理解し、徐々に応用していくことが重要です。
上記のように、フォニックスにはメリットだけでなくデメリットや注意点も存在します。これらの点を理解した上で、フォニックスを効果的に活用することで、英語学習をよりスムーズに進めることができるでしょう。
まとめ:フォニックスを効果的に活用しよう
フォニックスは、英語学習において、発音の向上やリーディング、リスニング、スペリングの習得に役立つ効果的な学習法です。特に、知らない単語の読み方を推測できるようになることは、英語のリーディング力を高める上で大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、フォニックスだけに偏った学習は避けましょう。フォニックスはあくまでも英語学習のツールの一つです。
英会話やリーディング、リスニングなど、他の学習方法と組み合わせることで、より効果的に英語力を伸ばすことができます。幼児期から始めるべきかという議論もありますが、大切なのは年齢に関わらず、他の学習方法とバランスよく取り入れることです。
フォニックスのメリット・デメリットを理解し、効果的に活用することで、英語学習をよりスムーズに進めることができるでしょう。ぜひ、フォニックスを学習に取り入れて、英語の楽しさを体験してみてください。