小学校で英語が教科として導入されたときにもそうでしたが、子供が英語を学んだり英検®にチャレンジをしようとしていると、必ずと言っていいほど「反対です」「それは良くないことです」という反発が起こります。
ここでは、小学生が英検を受けることは「意味がない」こと、良くないことなのかどうか。なるべく客観的な意見を取り入れながら考察をしていきたいと思います。
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スモールワールドの中でも英検レッスンが特に大人気のOlive先生に、小学生・中学生それぞれに向けた英検合格の秘訣アドバイスをインタビューしました。
もくじ
小学生の英検合格率ってどれくらい?
それではまず、すでに英検にチャレンジをしている小学生たちにフォーカスをあてて、英検試験を受験した際の合格率や受験者数についてデータを見てみましょう。
- 小学生の英検受験者数
- 小学生の英検合格率
小学生の英検受験者数
上記は、英検公式サイトにて発表されている、全英検級の受験者総数です。
表が少し読みにくいのですが、小学生以下(幼児も含む)の受験者数を見ると、なんと52万4,833人、大勢の小学生が英検にチャレンジをしていることが分かります。
ただし、この中には英検Jr.の受験者も含まれているとのことですので、実際に英検5級レベル以上の英検を受験したことのあるお子さんについてはもう少し少ないかもしれません。
全体の受験者は420万人超ということですので、全体の受験者の12%ほどが小学生以下のお子さんということになりますね。
私の体感としては、もう少し小学生の割合が高いかな・・・という予想でしたが、よく考えてみると中学生・高校生の場合には、英語に全く興味がないお子さんであっても高校受験・大学受験といった節目に、ほぼ全員が半強制的に受験をしますので、それを考えるとこの数字は妥当なのかもしれません。
なお、この表の数字は2022年度のものですが、毎年受験者数は増加の一途をたどっていますので、今後、小学生以下の受験者についても、60万人を超えてくることは間違いないでしょう。
小学生の英検合格率
では、この英検受験者52万人超の小学生のうち、何割程度が合格を手にしているのでしょうか。
英検協会では過去には合格率を表にして公表していたのですが、残念ながら10年ほど前からはこのデータを公表しなくなってしまいました。
これは非常に残念なことで、できれば公表を再開してほしいと思っている教育機関関係者は多いと思います。
合格率は発表されなくなってしまったのですが、その代わりに、目安となる合格基準の点数(英検CSEスコア)が公表されるようになりました。
英検CSEスコアというのは、ユニバーサルな英語スコアの尺度(CSE=Common Scale for English)を英検の各級で表記したものとのこと。
CEFR(セファール=Common European Framework of Reference for Languages、外国語の習熟度や運用能力を測る国際的な指標のこと)と呼ばれる、国際標準規格にも対応している尺度だということです。
英検を受験する際は、過去問や模擬テストを受けて、この目安点数と自分のスコアを見比べながら、チャレンジができそうかどうかを見極める必要がありそうですね。
公式サイトによる公表がないということで、はっきりとした小学生の英検合格率を示すことは出来ませんでしたが、小学生の場合には、受験級にもよりますが、英検4級や5級を受験する割合が高いと思います。
どんな試験でも、級のレベルが上がるほどに合格率は低くなっていくものですから、そういう意味では、小学生全体の合格率は中学生・高校生のそれよりも高い数字であることは予想できると思います。
小学生が英検を取得するメリット
それでは次に、小学生が英検を取得することによるメリットについて、いくつか解説をしていきます。
- 英語の基礎知識が身につく
- 優遇措置を受けられる私立中学校がある
- 外部試験の独特な雰囲気を事前に体感できる
- 小学校の英語授業に抵抗感がなくなる
英語の基礎知識が身につく
まず、何と言っても大きいのが、小学生のうちに英語の基礎知識をしっかりと身につけることが出来るということです。
英語には、数学のような難解な公式や計算はありません。
小学生でも楽しく学んでいくことができる教科ですので、先取り教育として取り入れるにはぴったりです。
また、英検の問題は、リスニングやリーディング、ライティング、スピーキングといった4技能をバランスよくカバーしていますので、ただ単に英単語を暗記する、といった練習だけではなく、実際に英語を使う力が自然と身につきます。
また、英検の問題は、リスニングやリーディング、ライティング、スピーキングといった4技能をバランスよくカバーしていますので、ただ単に英単語を暗記する、といった練習だけではなく、実際に英語を使う力が自然と身につきます。
これらの英語4技能を学ぶということで、中学や高校での英語学習においても大いに役立ちます。
小学生のうちに「本当なら中学生が学んでいるようなことを、もう出来るんだ!」という達成感や優越感は、子どもたちにとって大きな自信となり、英語学習へのモチベーションを高めるきっかけにもなることでしょう。
優遇措置を受けられる私立中学校がある
中学受験にて、英語を審査の対象に含める学校は年々増加しています。
中学校によって、下記のようなさまざまな優遇措置を取っています。
- 受験資格になる
- 加点される
- 英語の試験が免除になる(得点が換算される)
- 奨学金給付の対象になる
例えば川村中学校の場合には、英検3級を持っていると2教科受験のうち1教科(英語)の試験が免除されるという優遇措置を行っています。 女子聖学院中学校の場合には、取得級によって5点から60点の加点が与えられます。
他にも、神田女学院中学校では英検準2級以上を持っていると入学金25万円が全額免除になるといった優遇措置を設けているなど、各校それぞれ内容は異なりますが、英検を取得しているだけで、中学受験にはかなり有利になると考えても良いでしょう。
このように、英検を取得していることにより優遇措置を設けている中学校というのは、いずれも国際化への意識が高い学校が多く比較的女子高に優遇措置がある学校が多いです。
学校全体として国際的な行事を取り入れていたり、独自の留学制度を設けていたり、帰国子女を積極的に受け入れているような学校が、英検にチャレンジして一定級以上の合格を勝ち取った子供たちを歓迎している、ということですね。
外部試験の独特な雰囲気を事前に体感できる
英検を受けることで、小学生は将来の重要な試験を受験する際の、独特な雰囲気を事前に体感することができる、という点も小学生の英検受験の大きなメリットといえるでしょう。
外部試験は、学校内でのテストとはちがって、独特の緊張感がありますよね。
試験会場の雰囲気、他の(知らない)受験生との距離感、試験官の存在など、普段の教室では経験できない要素であふれています。
このような外部の試験環境に慣れておくことは、将来的に中学校や高校での入試、さらには大学受験や資格試験に対する心構えを育むために非常に有益です。
ちなみに、通っている塾や公文などが【準会場】に指定されている場合はいつもの慣れた場所で、いつもの仲間を一緒に英検試験に挑むことになります。
もちろん、これはこれで親も安心ですし、子供もリラックスして受けられるというメリットはありますが・・・・。
でも、正会場での受験の機会を持つことができるのであれば、個人的には正会場での受験をおすすめしたいと思っています。
多少送迎の面倒などはあるかもしれませんが、それをひいても、この経験は子どもにとって貴重なものだと思っています。
「見知らぬ場所、見知らぬ人に囲まれた試験」を受けるという経験によって、子供たちは新しい環境で集中力を発揮するスキルを身につけることが出来ます。
また、試験前の緊張感を経験することで、自分なりのリラックス法や集中法を見つけるきっかけにもなります。
外部試験の独特な雰囲気を味わうという経験は、子供たちが将来におけるさまざまな挑戦に対する準備を整えるための大きな一歩となる、といっても過言ではないと思います。
小学校の英語授業に抵抗感がなくなる
小学生が英検を受けるメリットとして、もっと現実的なメリットを挙げるとすれば、教科化された小学校の英語授業に対する学習効果が上がるというのも大きな点です。
英検の学習を通じて、子供たちは英語の基礎知識を身につけるだけでなく、英語に対する自信も養うことができます。
この自信が、学校の英語授業に対する前向きな姿勢を育むのです。
英検の勉強は、単語の暗記や文法の理解、リスニングやスピーキングの練習など、幅広いスキルをカバーしています。
特にリスニングやスピーキングの練習は、実際のコミュニケーション能力を高めるために重要です。
英検を通じてこれらのスキルを磨くことで、子供たちは教室での英語の授業にも積極的に参加できるようになります。
英語の授業が「わからない」から「わかる」に変わることで、学習の楽しさを実感できるようになります。
また、英検の合格を勝ち取った子供たちについては、試験に合格するという具体的な目標を達成できたわけですので、自分のがんばりが実を結んだ、という成功体験を得ることができます。
この成功体験は、学習全般に対する意欲を高めるとともに、英語に対するポジティブな感情を育む助けとなります。
このように、英検を通じて小学校の英語授業に対する抵抗感をなくすことは、子供たちの学習意欲を高め、英語に対する前向きな姿勢を育むための重要なステップとなります。
これらの経験は、将来の英語学習や国際的なコミュニケーション能力の向上にもつながるでしょう。
小学生の英検受験は何級がおすすめ?
それでは次に、小学生が英検にチャレンジする場合には、何級を受験するべきなのか。
受験級の決め方や目安についてもお伝えしていきたいと思います。
- 初挑戦なら英検5級の受験がおすすめ
- より上を目指すなら英検3級がおすすめ
小学生におすすめの英検対策勉強法
それでは、ここからは小学生におすすめの英検合格に向けた勉強方法を3点、ご紹介していきます。
まずは5級にチャレンジしてみるという前提でお話をしていきますね。
- フラッシュカードを使って英検の頻出単語を覚えていこう
- 短い文章を読んで理解力を養おう
- リスニング練習で耳を鍛えよう
フラッシュカードを使って英検の頻出単語を覚えていこう
英検5級に必要とされる語彙量は、おおよそ600単語程度と言われています。
600コと聞くと、小学生には多くて大変?!と思ってしまうかもしれませんが、このなかにはcat・tomatoなど、すでに日本でも親しみのある言葉も含まれていますので、それほど怯む必要はありません。
こうした語彙を小学生が楽しんで、効率よく覚えるためには、フラッシュカードが効果的です。
まず、英検5級に出題される単語リストを準備し、それを基にフラッシュカードを作成します。
カードの片面に英単語、もう片面に日本語の意味を書きます。
毎日少しずつ学習し、新しい単語を覚えたら、定期的に復習することが大切です。
例えば、朝食後や寝る前に5分程度の時間を使ってフラッシュカードを使うことで、自然と単語を覚えることができます。
さらに、家族や友達と一緒にクイズ形式で単語を覚えると、楽しみながら学習ができます。
また、スマートフォンアプリやオンラインツールを利用して、デジタル版のフラッシュカードを使うこともおすすめです。
短い文章を読んで理解力を養おう
英検5級では、簡単な英語の文章を読んで理解する力も試されます。
そのため、短い英語の文章を読む練習をすることが大切です。
まずは、絵本や児童書、英検5級の過去問集など、ごく簡単な短い文章で構成されている読み物を選んでください。
読み物を選んだら、文章を繰り返し音読しましょう。
音読をすることで発音やリズム感を養いながら理解力を高めることができます。
音読の際に重要なのは、分からない単語やフレーズが出てきたら、それを放置しない、ということです。
生徒には、自分でその意味を調べてもらい、意味を理解して読むことが大切です。
さらに、読んだ内容を日本語で簡単にまとめたり、家族や友達に話して聞かせることで、理解度を確認することができます。
最初は短い文章から始めて、少しずつ長い文章に挑戦することで、自信をつけることができます。
これにより、試験本番でも落ち着いて問題に取り組むことができるでしょう。
リスニング練習で耳を鍛えよう
英検5級に対応したリスニング力を向上させるためには、日常的に英語を聞く習慣をつけることが重要です。
例えば、英語のアニメや子供向けの番組、英検対策のリスニング教材を活用すると良いでしょう。
最初は簡単な内容から始め、少しずつ難易度を上げていければベストです。
小学生のお子さんは、大人よりもずっと柔軟性をもって英語を聞くことができます。
この機会にお子さんの英語リスニング力を鍛えてあげるとぐんぐんと力が伸びていきますよ!
また、小学校4年生以上のお子さんであれば、聞いた内容をノートに書き出したり、シャドーイング(音声に合わせて自分も発音する練習)もトライしてみましょう。
理解力と発音の両方の力を強化できます。
リスニング力をつけるのには、ご家族の協力も有効です。
恥ずかしがらずに、例えば時間をきめて5分だけでも、一緒に英語で簡単な会話をしてみませんか。
実際のコミュニケーションに役立つリスニング力を身につけることができます。
また、試験直前には、過去問を使って本番さながらの練習を行い、リスニングのスピードや形式に慣れておくことも大切です。
これにより、本番で緊張せずにリスニング問題に対応できるでしょう。
小学生で英検を受験する際の注意点
おすすめの勉強方法についてお伝えしましたので、次に、小学生が英検を受験する際に注意していただきたい点にも言及したいと思います。
例えばリスニングなど、小学生が得意とする項目もあれば、小学生だからこそちょっとここは気を付けたい、という点もやはり存在します。
- 英検の勉強モチベーション維持が難しい
- プレッシャーによる過度なストレスが掛かる可能性がある
- 健康管理に気をつける必要がある
英検の勉強モチベーション維持が難しい
小学生にとって、長期間にわたる英検の勉強はモチベーションの維持が難しいことがあります。
特に、英語に対する興味や意欲が薄れてしまうと、勉強自体が苦痛になり、結果的に学習効果が低下する可能性があるので要注意です。
小学生の特性として、集中力はあまり長く続きません。
また、ほかの子供さんの動向に引っ張られる傾向が強いため、周りの子が遊んでいると、いっしょに遊びたい!という気持ちが強くなって英語の勉強に頭が向かなくなってしまいます。
小学生の時期は、遊びを通じて多くのことを学び、社会性や創造力を育む重要な時期ですので、やみくもに英検の学習の時間確保に走ってしまうのは良いこととは言えません。
重要なのは、勉強と遊びのバランスを取ることです。
例えば、一定の勉強時間を終えたらご褒美を与える、勉強をゲーム形式にするなど、楽しく学べる工夫をしてみましょう。
また、親や講師が定期的に励ましの言葉をかけることで、子供のモチベーションを維持するサポートを行うというのも大切なことです。
英検を受験する目的や目標を明確にし、それを子供と共有することで、目標に向かって頑張る意欲を引き出すことができるでしょう。
プレッシャーによる過度なストレスが掛かる可能性がある
英検を受験することで、子供にプレッシャーがかかり、ストレスを感じることがあります。
特に、周囲の期待や競争心が強い環境では、子供自身も高い目標を掲げることになり、プレッシャーが増します。
ですが、小学生はまだ精神的に未熟なため、過度なプレッシャーは逆効果になることがあります。
プレッシャーが原因で、勉強に対する嫌悪感が生じたり、自信を失ったりする可能性もあります。
英語学習へのモチベーションと上げようとして、また、達成感を味わってもらいたくて始めたはずなのに、結果として「英語が嫌い」ということになってしまっては大変です。
親御さんとしては、子供に対して過度な期待をかけず、結果よりも過程を重視する姿勢を持つことが重要です。
例えば、子供が努力したことを認め、褒めることで自信を持たせることができます。
試験の結果が良くなかった場合でも、頑張ってきた過程を褒めてあげることで、前向きな気持ちを維持させることができるでしょう。
プレッシャーによるストレスを軽減するためには、子供の気持ちに寄り添い、サポートをしてあげてください。
健康管理に気をつける必要がある
試験勉強に集中するあまり、健康管理を怠ると、試験当日に体調不良で実力を発揮できない可能性があります。
特に小学生は、成長期にあるため、バランスの取れた食事や十分な睡眠が必要です。
親御さんの出来ることとして、毎日の食事で栄養バランスを考えたメニューを心がけ、特に脳の働きをサポートする食品を積極的に献立に含めると良いでしょう。(小魚や青魚、大豆やナッツ類が脳の働きに有効なサポートをしてくれると言われています)
また、日常的に適度な運動をすると、ストレスの解消にもなるし、集中力を高めることもできます。
試験直前には、特に体調管理に気を配りましょう。
風邪やインフルエンザなどの感染症にかからないよう、手洗いやうがいを徹底し、人混みを避けることも大切です。
試験当日は、十分な睡眠をとり、リラックスした状態で臨むために、早めに就寝します。
英検の試験に「一夜漬け」は不要です!
健康管理をしっかり行うことで、試験本番にベストなコンディションで挑めるようにサポートをしてあげてください。
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長くなってしまいましたが、英検は、年齢制限がなく、何歳からでも受けられる試験です。
ですが、スモールワールドでおすすめしているのは小学生からの受験です。
幼児さんでも、もちろん受けることは出来ますが、どちらかと言うと、英検受験よりも、幼児期ならではの得意分野を生かした英語との触れ合いに重点を置くと良いのかな、と思っています。
幼児さんであれば、例えば英語のチャンツ(リズムに乗って英語を発話していくこと)や、英語のシャワーを浴びせるようにしてリスニング力を上げていく方法がおすすめですが・・・・こちらについてはまた別の機会に別記事で詳しく書いていきますね。
一方、例えばシニアの方が「イチから英語やり直し」にチャレンジして、英検5級を受けてみよう!ということであれば、これはとっても良いことです。
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