こんにちは! スモールワールド運営事務局の代表をしております石田さおりです♪
さて、今日は「完全に2か国語を自由に操れるバイリンガルの子どもを、日本国内で育てることは出来るのか?」というテーマでお話をしたいと思います。
スモールワールドでは、国内・海外に暮らす英語教育に関わる先生たちや、英語教育に関心のあるママさんたちに記事を寄稿して頂き、それを弊社内で編集して掲載しています。
その中で、お子様を日本国内で暮らしつつも日英の2言語育児を行ってきた、というお母様からの寄稿記事で、とても勉強になる内容のものがありましたので、ご紹介いたします。
関西に在住しているという、このお母様のご家族は、ご主人が帰国子女ということもあり、子供が生まれたときからバイリンガルに育てることを決意したそうです。
そして、小学校6年生の現在は英検準1級を所持し、日本語で話しかけると日本語、英語で話しかけるときちんと英語で返せるという完全バイリンガルキッズに育っているとのこと。
いったい、どのような英語育児をすれば、そこまで完全バイリンガルに育つのか、興味がありますよね。
先に率直な感想をお伝えすると、
「いやー、国内で完全バイリンガルを育てるって、本当に親御さんの並々ならぬ努力と、かなりの金銭的負担を覚悟する必要があるんだなー」
です(^^;)
もちろん、この金銭的負担は、将来への投資と思えば必ずしも「高すぎる」というものではないと思いますが。
この子供さん、仮にAちゃんとしますと、まず、Aちゃんが1歳半になると、インターナショナルプレスクールに入園します。
通常の園での生活の他に延長保育時間を使ったオプションプランで英検対策も行い、なんと年長さんのときには英検準2級を取得することができたそうです。
ちなみに年間の学費は120万を超えていたということですので、幼児期の教育費としては大変高額ではあります。
しかし、ここには英検準2級と小学校受験の対策費用も入っていたということですので必ずしも「バカ高い」とも言えないかと思います。
インターナショナル幼稚園のあとは、イマージョン教育(英語で多くの学校教科を教えている)を実施している私立小学校へ入学させたそうです。
インターナショナルスクールへの進学も考えたのだそうですが、日本語も大事だから・・・という考えから授業時間の約55%を英語、約45%を日本語で行うという学校を選択されました。
・・・・とまあ、このような英語教育の外部委託だけでしたら、金銭的な余裕があれば、まだ真似をすることもできるかもしれません。
しかし、このご家庭では、それだけでは「英語の必要性を十分に感じられない」と思い、海外ドラマを英語のみで見る機会を作ったり、ご主人様の仕事関係で外国の方がいらっしゃった際には、必ず食事の席などにAちゃんを同席させたとのことです。
日本国内で、お父さんの仕事関係の方が来客としていらっしゃったとして、子供を食事に同席するなんて、ちょっと考えもしない・・・と思いませんか。
また、ご家庭内でも、
「~~を英語でなんて言うの?」
というような語り掛けは一切行わなかったそうです。
代わりに、Aちゃんに英語で答えてほしいときには「英語で話しかける」。
日本語で答えても良いと思うときは「日本語で話しかける」というようなルールを徹底したそうです。
これも、育児をしながらこのルールで子供に話しかけるというのは、かなりの努力と忍耐力?が必要だったことは想像に難くありません。
つまり、これぐらい真剣に、かつ熱心に英語を意識して取り入れなければ国内でのバイリンガル育児というのは、成功させるのは難しいのかもしれません。
もっとも、私はここで「すごく難しそうだから、みんな、がんばるのは辞めようよ」とか「もっと努力しないとだめだよ」などと言いたいわけではありません。
どちらかというと、現在、英語育児をしてちょっと挫折気味・・・・というお母さんたちに、もう少し気楽にいきましょうよ!とお伝えしたいのです。
がんばって英語育児をしても、完全なバイリンガルキッズに育てるのはかなり難しいこと、かもしれません。
金銭的にも、家庭内の環境づくりでも、出来る限りは努力をしてみても、もしかしたら「100%成功したね!」という想いは達成されないかもしれません。
それでも、子供たちに英語育児を行ってくということで、何らかのメリットが必ずあると思うのです。
「あー、結局わたしの英語育児は失敗しちゃった」なんて思う必要はありません。
Aちゃんの例のように「完全バイリンガル」にはならなかったとしても、その子供が英語を「ちょっと得意」と思ってくれたり、海外の文化に興味をもって偏見なく世界を見ることが出来たり、自分と異なる意見にも耳を傾けることが出来たり・・・・。
言語教育というのは、広く文化そのものについても学ぶことができる教育ですよね。
そういった意味も含め、気楽に、気長にご家庭でも英語教育に取り組んでみて頂きたいなー、と思っています。