あなたはどっち?
小学生の英検対策・保護者ができるサポート [基本編]
講師を決めたら、もう安心。あとの英検®対策は全て講師に丸投げ・・・
していませんか?
実は、そういうわけにはいかないのが小学生の英検です。
小学生で英検を目指すなら、保護者のサポート力もかなり重要になります。
もくじ
小学生の英検受験では、どんなサポートが必要?
まずは保護者として基本的に必要なサポートを4点ご紹介します。
- 1日で英検のために割くことのできる時間を把握・管理する
- レッスンを受講する曜日、講師を決める
- 講師との連携→お子さんのレベル、勉強の進捗状況、今後のスケジュール感を把握しておく
- メンタルのサポート=モチベーションをアップさせる工夫
特に、保護者の手腕が問われるのが3番目と4番目です。
保護者のための虎の巻その1でもお話しましたが、保護者が合格させたい級と講師が把握している生徒の実力がかなり乖離している場合があります。
例えば、英検3級に合格したので、次のステップとして英検準2級のクラスを受講しているお子さんがいたとします。
それは一見普通のことのように見えますが、そのお子さんは実は3級はギリギリで合格した、または、たまたま選択肢の問題でうまくいっただけで、準2級になると文法力、内容ともに理解が全く追い付かない、というケースがよくあります。
そこで保護者がもし、お子さんの正確なレベルや進捗状況を把握できていないと、言ってはいけない ≪あの言葉≫ が出てきてしまうのです。
「何でできないの?」
・・・・です。
ここで、一番苦しむのは誰でしょうか?
お子さんです。
私も、かつて(自分の子供に)言ってしまったことがありました。
そしてもちろん、言ってしまった後には、猛烈に後悔しました。
なぜなら、それを言ったからといって出来るようにはならないからです。自分の苛立ちをその発言にぶつけただけの身勝手な行為であって、子どもにとってはむしろモチベーションを下げてしまう負の言葉でした。
言いたくなるのは本当によくわかります。
ですが、ここでお伺いしたいことがあります。
「うちの子は、3級は合格したのだから、3級の文法はできるはず」
と思っていませんか? 真実としては、意外と多くのお子さんが合格はしていても文法事項についてはしっかりと理解できていないのです。
小学生の脳は発達段階で、年齢によっては教えたことをすぐに理解できる段階ではないこともあります。
そしてこれを読んでいる保護者のあなたと、お子さんとは別の人間なのです。
思い通りにできるわけではありません。
こうした保護者の思い込みによるNG行為を防ぐためにも、保護者はまず、講師と連携してお子さんの正しいレベルを把握しなければなりません。
具体的には、どれくらいの期間(時間)、どのような勉強をすれば、現在のレベルから目指す級の合格に近づけるか、ということを把握する必要があります。
英検対策のレッスン受講を、ものすごく嫌がってしまう、というお子さんも多いと思います。
そんな時は、保護者に必要な基本対応4つのうち、「メンタルのサポート=モチベーションをアップさせる工夫」を思い出してください!
保護者が上手に声をかけてサポートができると、講師もレッスンを進めやすくなり、相乗効果に繋がります。
別の部屋やトイレに行って一回その発言を飲み込み、できなかった原因を冷静に考えます。
そして今のお子さんに何が必要か、何が不足していたからできないかを考えます。
お子さんなりに一生懸命頑張った結果かもしれません。
そうすると、この発言は我慢できるかもしれません。
お子さんが自信を失い悪循環に陥る前に、頑張ってぐっとこらえましょう。
オンラインでの自宅レッスンの場合、保護者の方で、ずっと傍でレッスンを聞いていて、お子さんが答えられなかったり間違っていると分かったとき、思わず干渉して横やりを入れる親御さんがいらっしゃいます。
でも、お子さんの真の成長を考えるならこの行為は絶対にNGです!
お子さんもプライドがあります。
横から「違うでしょ!」と正されると、講師の手前、お子さんは恥ずかしいのです。
そしてやる気をなくします。講師もどう対応したらよいか困ります。
答えが間違っていても、講師はうまく誘導してくれるのでぐっとこらえてお任せしましょう!
何より答えを横で教えてしまってはお子さんが考えるチャンスがありません。成長の芽を摘んでしまうだけです。
見ていないと心配なケースもあるでしょうから、その場合は親御さんは、ぜひ遠目から温かく見守ってくださいね。
小学生の英検対策:サポート方法の一例
ご家庭によって、またお子さんによって、効果的なサポート方法についてはさまざまだと思いますが、ここでは一例を挙げてみます。
まずは、お子さんが英検対策の勉強を嫌がっているなら、嫌だ、と思う気持ちを分かってあげましょう。
「そっか、嫌なんだね。」
その一言で、嫌がる気持ちが不思議と和らぐこともあります。
お子さんが話を聞ける状況なら、以下のようなやり取りが想定できます。
――――――(例1)―――――――――――――
保護者「何で嫌なのか教えてくれる?」
お子さん「だって、わかんないしやりたくない(泣)」
保護者「そうだよね、すごく難しいことやってるんだもん。挑戦できるだけすごいよ。」
お子さん「お友達と遊びたかった」
保護者「うん、遊んでいいんだよ。ずっと英検の勉強しなさいって言ってないよ。」
「合格したら、お友達も一緒にディズニーランドに行こうね!」
「もし合格できなくても頑張ったならそれは絶対無駄にならないからね。その時はお友達をおうちに呼んでお泊り会しようか!」
――――――――――――――――――――――
ディズニーランドはあくまで一例であって、焼肉屋さんやケーキ食べ放題、等なんでも良いのですが、お子さんが大好きなことをご褒美にしてあげるとモチベーションは上がりやすくなります。
――――――――(例2)―――――――――
お子さん「英検の勉強ヤダ」
保護者「そっか。わかった。でも英検受かったらすごくいいことあるんだけど、何だと思う?」
⇒お子さんの答えを待つ。
――――――――――――――――――――――
お子さんの答えが出てきたら、保護者の方でもその答えを否定はせず、追加という形で英検合格のメリットを説明してあげてください。
お子さんの将来の夢に繋げて、夢の実現のためになぜ英語が必要かを説明してあげても良いですが、小学生のうちはまだ先のことで実感が沸かないのが普通です。そのため、子供にとって身近なことや、直近の目標、メリットを挙げるほうがおすすめです。
小学生の英検対策・保護者ができるサポート[応用・実践編]
前章がサポートの土台となる「フレーム」の部分なら、こちらの章は、実際の英検の内容にも踏み込んだ「絵」の部分についてです。
保護者でもできる子供の英検対策・3選
- 毎日、単語テストを行う
- 英語のチャンネル(ニュース・ドキュメンタリー・アニメ等)を一緒に見る
- 社会問題について、お子さんと会話する時間を設ける
毎日、単語テストを行う
講師に任せても良いですが、単語テストは保護者が行ってもそれほど負担にならないサポートで、どの級の対策としても有効です。
1)単語帳の単語の意味を日本語を言って、英語で書いて(言って)もらう。その逆も行う。
2)例文があれば、例文の意味を日本語で言って、英語で書いて(言って)もらう。その逆も行う。
可能であれば、保護者も一緒に英単語を覚えていきましょう。問題の出し合いっこができると、お子さんのやる気が上がります。
英語のチャンネルを一緒に見る
こちらはリスニング対策の一環ですが、他のスキルにも繋がります。
ニュースならCNN10がおすすめです。10分で分かりやすく、Youtube などで視聴ができます。内容がよく分からなくても英語の耳を鍛え、リスニングへの抵抗感をなくします。
ニュースは難しすぎる、という場合には、アニメなら楽しんでみることができます。
1回目は日本語の字幕
2回目は英語の字幕
3回目に字幕なし
という順番に繰り返し見ると、徐々に英語で言っている言葉が、聞こえてくるようになります。
さらに応用としては、シャドーイング(英語を聞いて、その後すぐに言い方を真似して同じように繰り返して発話)に挑戦させましょう。
聞こえた英語のすぐ後から同じように声に出して発音する訓練です。これによって、リスニング力が格段に上がります。
社会問題について、お子さんと会話する時間を設ける
こちらは、特に英検準2級以上を受験する生徒の保護者向けの内容になります。
英検準2級以上になると、単に英語力を問うだけでなく、取り扱う問題もよりアカデミックな内容となります。社会の仕組みを理解していないと読んでも分からないReading問題も出てきます。
日本語でも読んだことがないような文を英語ですぐに理解できるでしょうか?・・・お子さんには難しいですよね。
例えば、2024年第1回の準2級のReading問題では、時代の流れとともに紙の新聞からWeb新聞へ読者が移行したことにより、多くの地方紙が姿を消し、結果、広告を出すことができない地方の小さなビジネス経営の苦境について書かれています。
使われている単語自体はそれほど難しくなくても、この社会問題とビジネス形態について知らないと、英文を読んでもすぐに内容を理解することができません。
小学生の英検の勉強は、まずそのような社会の仕組みを話すことから始まるのです。
おすすめは、日本語の小学生新聞を親子で一緒に読んで、どんなことが書いてあったかを食事時などに話し合います。小学生新聞は、こうした社会問題をかなり噛み砕いて分かりやすくかいており、一方でマンガ等も含まれているので小学生が抵抗なく読めるようになっています。
その問題について、お子さんがどのような意見を持っているかも話せるようにすることで、WritingやSpeakingの練習に繋がります。
その際の親子の会話は、日本語で大丈夫です!
社会的な知識を身につけることで、Reading で分からない単語が含まれていても何が書かれているのかを推測でき、問題を解きやすくなるからです。
そしてこれこそが、小学生で英検を受験する最大のメリットの一つでもあります。何しろ、英検を通して社会的知識と思考力、英語力が身につくのです。保護者は日本語担当、そして英語担当は講師です。
次回予告
今回は、小学生の英検対策のうち、保護者ができるサポートについてお伝えしてきました。
でも、これらのサポートも全部をやろうとすると大変です。まずは気負い過ぎずに基本編のなかで出来そうなことから、始めてはいかがでしょうか。
お子さんが、英検に向き合う気持ちを整ってきたかな・・・というタイミングで、応用編もお試し頂けると良いかな、と思います。
次は、いよいよ本番直前のTipsについて書いていきます。お楽しみに!