色鮮やかな風景ですよね。
いつの間にか8月が終わってしまいました。
空き家問題がニュースになったのは、初夏のころだったと思います。(調べたら6月でした。「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)」の改正案が成立したのが6月だったので、このころにニュースで盛んに特集されていました)
この空き家について、英語で何て言うの?という単純な疑問から、空き家問題に対する英語での記事を見つけましたので一緒に読み解いていきたいと思います。
まずは「空き家」の英語ですが、これ、といったぴったりとした対訳は無く、色々調べてみましたが、いくつかの言いかたがありました。
■empty house(home)
emptyは、「からっぽの」「何もない」という意味です。一番「空き家」の「空き」に近い、翻訳のような気がします。
■vacant house
飛行機に乗ると、トイレが「Vacant(空き)」「Occupied(使用中)」というマークがついていますよね。この空き=vacantが使われています。
ですから、Occupiedに反対の意味を付与する un- を追加して Unoccupied house というのもアリかと思います。
■abandoned house
abandonは、見捨てるとか捨て去るという意味を持っています。なんだか、うら寂しさがただよう訳ですね。
英英辞典でいうところの give up completely(完全にあきらめる)が、ここでは近い意味になるかと思われますよ。
2022年のアーカイブ記事ですが、Japan Timesでも、空き家問題についての記事が掲載されていました。
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/04/04/business/japan-abandoned-houses-solutions/
空き家について、
empty homes ・ abandoned properties(単数形はproperty=財産) ・ Akiya(abandoned buildings)
のように幾つも言い換えて空き家を言い表していますね。
何種類かの英語で表現することによって、「空き家」のなかに漂う「問題性」「切なさ」なんかを表現しようとしているのかな、と感じました。
せっかくなので、冒頭の1文だけを翻訳してみましょう。
An unlit house sits empty at dusk in a suburb of Tokyo, its surrounding garden completely overgrown with dense vegetation that hasn’t been cut back in years.
[Unlit=明かりのともっていない] 家が、empty(からっぽ)で [at dusk =夕暮れ時] に、東京のsuburb(郊外)にたたずんでいる。
its surrounding(その周り)の庭は、completely(完全に)overgrown(育ちすぎ)。つまり、草ぼうぼうで手入れのされていない庭ですね。
[dense vegetation=うっそうと密集した植生] は、in years(何年も)cutされていない。
上記をまとめると、こんな感じ?
「東京郊外の夕暮れ時、明かりのない家がぽつんと建ち、周囲は、何年も伐採されていない草木がうっそうと茂っている。」
そう、これこそが空き家問題を象徴している風景ですよね。
うーん、さすが、Japan Timesの記者さんの書く文章はプロだなあ・・・と深く感心したワタシなのでした。
新聞記事ではないですが、運営するオンライン英会話スクールのサイト文章を、より分かりやすく、生徒が迷わずにレッスンを受講できるように導いていくのは私の仕事。
少し飛躍するようですが、こうした秀逸な文章を読むと、もっと私も精進しよう、と思うのです。