「タイパ」—最近よく耳にする言葉ですが、何の略でしょうか?
三省堂主催の「今年の新語 2022」の大賞に選ばれたことで広く知られるようになった言葉です。
そしてこの言葉、英語圏で通じるでしょうか? |
タイパ。若い世代を中心にご存じの方も多いですが、「Time performance」の略です。
「Cost performance」の時間版で、かけた時間に対する満足度を表す言葉として市民権を得ましたね。
タイパと聞いてすぐにイメージするのは、ショート動画、Z世代、長尺動画の早送りです。
YouTube で動画を見るときなど、1.5倍で見ている、という方も多いでしょう。
時間を節約できて欲しい内容も得られ、結果満足度が高い。そういうことですよね?
さてここからが本題です。「Cost performance」は英語でも同じ意味で使われていますが、
新しい「Time performance」 というフレーズ。
実際英語圏で、同様の意味で使われているでしょうか?
答えは・・NO!です。通じません。
「SNS」と同様、また英語圏で通じない和製英語が増えてしまいました。
(SNSの英語はこのブログの最後をご覧ください。)
アメリカ人に話を聞くと、Time performance は、「On-Time Performance」を連想してしまうそうです。
これは交通機関などがどれくらい正確に定時運行しているか、を測る際に使われる言葉です。
では、日本語のタイパに相当する英語はないのかと聞いたところ、
ないそうです。 「時間の節約」、という言い方として「Time-saving」という表現はありますが・・・・。
とはいえ、タイパを追求する人口が増えていることは日本だけでなく世界共通のようですね。
以下、動画を早送りしてみる人が多い、という内容の記事の一部を紹介します。
―REDSHARK NEWS より抜粋―
「According to YouTube, 85% of its viewers watch videos at faster than realtime, saving over 900 years of video time per day across its platform. Or, according to YouTube, the equivalent of watching PSY’s Gangnam Style 113 million times. A vision of hell that personally, I don’t want to entertain the thought of.」
訳)「YouTubeによると、視聴者の85%がリアルタイムより速い速度で動画を視聴しており、プラットフォーム全体で1日に900年以上の動画時間を節約しています。つまり、PSYの「カンナムスタイル」を1億1300万回見るのと同じことです。個人的には、考えたくもない地獄絵図です。」
https://www.redsharknews.com/why-hardly-anyone-watches-video-at-normal-speed-any-more
カンナムスタイルはいいとして(笑) 一日で900年以上って。。。トータルしたら天文学的な時間の節約ですね~。
そしてこの記事の最後まで読んで驚きました。
3倍速や4倍速を求める声もあるそうですが、もはや内容が聞き取れるとは思えません。
何より、作成者は意味があってゆっくりと時が流れる動画を作ったのでは?
タイパに関連して、「時は金なり」という言葉がありますね。
古来から伝わる日本のことわざのように思えますが、実はアメリカのベンジャミン・フランクリンの言葉『Time is money』を日本語に訳したものなんです。
この言葉が生まれたころよりももっと時間の節約にこだわる現代人。
時間に追われて得しているのか、本当に幸せなのか、分かりませんね(笑)
<SNSの答え>
日本語で「Social Networking Service」の略として使用されていますが、
英語では 「social media」 です。
筆者 スタッフS