今回は、海外でインターナショナルスクールに入学するために必要な情報のシェアです。
海外生活が長く、お子様を実際にインターナショナルスクールに転入させたことのある方に、その実体験を教えていただきましたのでご紹介します。
目次;
5.きょうだいでイギリス系とアメリカ系インターに分かれて転入。
1.帰国後9年経ってからのインター挑戦。
現在、海外生活2回目をタイで過ごしています。
一度目はアメリカに3年間、上の子が5歳、下の子が2歳の時でした。
上の子は現地の幼稚園と小学校、下の子はデイケア(保育園)に通いました。
アメリカに3年滞在後、8歳と5歳で日本に帰国してからは、普通に日本の学校に入りました。
すると、英語で兄弟けんかをしていたような子供たちも、帰国後、あっという間に英語を忘れてしまいました。子供は本当に覚えるのも忘れるのも早いなあ、と実感しました。
日本に帰国して約9年後、今度はタイへの転勤となりました。
タイには日本人学校もありますが、インターナショナルスクールも100校以上あると言われています。
子供たちは一応帰国子女だし、せっかくならインターに転入させようと考え、ここからインターナショナルスクール転入への挑戦が始まったのです。
2.海外にあるインターナショナルスクールの種類を知ろう。
一口にインターナショナルスクールといっても、インターネットでリサーチすると、学校の規模、授業料、評判、英語が母国語でない生徒の為のサポート制度のESL(English as a Second Language)の有無など、ピンからキリまでありました。
インターナショナルスクールは、主にアメリカ系とイギリス系に分かれ、さらにIBプログラム(2年間)があるかどうかというのも学校を選ぶ上での大きなポイントになります。
IBとは、国際バカロレア(International Baccalaureate)資格、つまり国際的に認められる大学入学資格のことです。
IB取得者は大学入学にとても有利ですが、取得するのはとても大変と言われています。
アメリカ系は、義務教育は12年間、日本で言う高3はGrade12(12年生)になります。
卒業資格を取得するか、IB資格を取得するか、またはその両方を取得するかになります。
一方、イギリス系は複雑です。
日本でいう幼稚園の年長から義務教育が始まり、16歳で義務教育を終えた後は、2年間のシックスフォーム(6th form)に進み、大学への進学準備をします。
日本で言う高3はYear13(13年生)と表します。同じ高3生でも、アメリカ系インターでは12年生、イギリス系インターでは13年生ということになるのです。
イギリス系の学校では、義務教育を修了する資格として、Year 11で、GCSE(General Certificate of Secondary)を一般試験として受験しなければなりません。
そのため、Year 10とYear 11の2年間はGCSEの為のカリキュラムが組まれます。
3.中学生以上はインターナショナルスクールに入るのが大変!
アメリカ系にしろ、イギリス系にしろ、お子さんが小学生以下の場合は英語ができなくても入学できる可能性はかなり高いです。
ただし、高校卒業までを想定して入学する場合は、大学への進学も見据えて、そのインターのカリキュラムも考慮して選ぶことをおすすめします。
お子さんが中学生以上の場合は、その学年によって転入の難易度が違います。
アメリカにしろ、イギリスにしろ、IBは2年間かけて取得するものなので、日本で言う高2以上では編入が認められない場合がほとんどです。
IBカリキュラムはあるけれど、生徒全員が必須ではないインターの場合は受け入れが可能です。
ただし、インターによりますが、少なくても英検準一級くらいの英語力は必要とされると思います。
イギリス系も高2以上の転入は難しいことに加え、GCSEの2年間カリキュラムの途中編入も受け入れ不可となります。
さらに、その手前のYear 8、9でもGCSEの準備期間なので、GCSEに太刀打ちできない能力とみなされると、転入は難しくなります。
中学生以上の転入の場合で英語力があまりない場合は、IBやGCSEは困難なので、そのカリキュラムがないインターを選択するのも一つの手だと思います。
実際にIBを取得しようとなんとか転入したものの、やはりついていけないと、別のインターに転校するお子さんもいます。
一方、転入時は英語力が足りなくて希望のインターに入れなかったものの、一年間実力をつけて、希望のインターを再受験して合格し転校する、というお子さんもいます。
この場合、インターは授業料に加え、入学金も高額なので、余裕のあるご家庭に限られるのかもしれません。
4.インターナショナルスクール転入試験について
インターへの転入は筆記試験と面接がメインになるスクールがほとんどです。
ただし、筆記試験の前に書類の提出があり、そこでもふるいにかけられる場合があります。
ここでの必要書類として、日本の学校での成績証明書、健康診断、予防接種記録や親の学歴まで、とインターによって異なります。
親も英語力がないと子供の入学は難しいと言われていますが、インターによっては日本人の通訳や日本人PTAがあったりする場合もあるので、一概には言えないのかもしれません。
ただし、書類の提出、学校見学のアポイントや質問など、通訳を通すと時間がかかってしまうということも事実ですので、やはり親御さんにもある程度の英語力があったほうが良いでしょう。
我が家の場合、上の子は高2での転入だったので、それまでの成績や英語の実力の確認がインターから何度もあり、たくさんメールのやり取りをしました。
5.きょうだいでイギリス系とアメリカ系インターに分かれて転入。
結論を先に言うと、私の子どもたちはきょうだいで別々のインターに転入をしました。
上の子はすでに高2でしたので、前述にある理由で、イギリス系インターナショナルスクールへの転入は不可能でした。
そこで、アメリカ系でIBが必須ではなく、卒業資格だけ取れるインターを選びました。
元帰国子女ということもあり英語は得意だったので、3校受験し、3校とも合格。
今はすでに卒業し、TOEFLの勉強に力を入れています。
一方、下の子は、英検3級は取得していたものの英語が苦手なうえ、中3での転入です。
アメリカ系でレベルに合ったところも気に入ったところもなかったので、イギリス系でGCSE取得を目指すことを念頭に受験しましたが、ことごとく不合格。
この年齢でGCSEは無理との判断をされてしまいます。
しかし、やっと5校目にして、ESLでしっかりサポートを受けることを条件になんとか合格。(ただし、このESL代は別料金となりました。)
きょうだいで別々のインターに通うことが決まったのです。
6.まとめ
我が家では、高2と中3のきょうだいが、別々のインターに転入しました。
上の子と下の子のインターは、学校の規模も授業料も2倍以上違います。
上の子のインターは規模が大きく、クラブ活動なども豊富でいろいろな経験ができるという利点があります。
逆に小さいインターはアットホームな雰囲気で、英語が苦手な下の子にはちょうど良かったのかもしれません。
いずれにしても、海外でのインターナショナル生活では、大変なこともありますが、日本では経験できないことを経験し、成長してほしいと思っています。