高い効果のある英語学習法の一つに、

「辞書を引かずに読める、易しいレベルの本を大量に読みこなしていく」

いわゆる多読法というものがあります。

最近では、この「多読法」が進化した形で、本の内容をCDなどの音声素材に読み聞かせをしてもらう「多聴多読法」も主流になってきています。

特に、幼児~小学校低学年ぐらいまでの子どもたちには、早期英語教育の最大のメリットである音声と文字、そしてイメージがダイレクトに伝わる「絵」を総合的に結びつけながら学べる、「絵本を用いた多聴多読法」は、広く受け入れられています。

今日は、初めて多読に挑戦する子どもたちのために、思わず手に取りたくなるような、楽しく興味深いお話が集められた、GR 〔グレイデッド・リーダーズ〕と呼ばれる絵本教材を厳選してご紹介していきます。

 

目次;

1.GR(グレイデッド・リーダーズ)とは

2.初めての多聴多読に向いた教材は?

3.おわりに

 

1.GR〔グレイデッド・リーダーズ〕とは

グレイデッド・リーダーズとは、専門家によって細かくレベル分けされ、単語数も制限された中で、自然かつ標準的な文法の英語で書かれた絵本が、同じレベルごとに数冊セットになったものです。

厳密には、グレイデッド・リーダーズは、英語圏のネイティブの子ども達の読み書きの教科書としてのリーダーズを指して、ノンネイティブ向けに書かれたリーダーズを、LR〔レベルド・リーダーズ〕と呼んで、2つを区別することもあります。

アメリカでは、英語がネイティブでないESLの子どもたちには、毎日、気に入ったリーダーズを一冊選んで読んでくる、という課題があるそうです。

絵を見れば、すぐに意味が推察できる文章をたくさんインプットすることで、自然な形で英語を吸収しつつ、スモールステップで、段階的に力をつけていくことができるのです。

イギリスやオーストラリアのリーダーズでは、それぞれのレベルごとにカラーで区分されており、さらに1カラーごろに30段階ほどのレベル分けが統一規格として出版されています。

グレイデッド・リーダーズは、もとはネイティブ向けですが、各レベル間の差が小さく、段階を追ってスムーズに学習を続けやすいものです。

また、同じ段階でも多くの選択肢がありますので、ご自身のお好み、そしてぴったりのレベルのものを選ぶのも簡単です。

 

2.初めての多聴多読に向いた教材は?

日本で有名なリーダーズ絵本と言えば、ORT(Oxford Reading Tree)CTP(Creative Teaching Press)があります。

でも、CD等の音声素材の入手も簡単で、1ページ1行の英文から始まる、ビギナーが導入しやすいリーダーズはたくさんあります。

 

1.  SpringboardSpringboard Connect

 

(出版社 Macmillan Education Australia)

Springboardは1~16までのレベル、Springboard Connectは1~30までのレベルに分かれた教材です。

フィクション・ノンフィクションを取り混ぜて、それぞれ8冊・5冊のパックになっています。

基本的にはイギリス系のもので、ときどきオーストラリアの題材も入ります。

決まった主人公はいないので、特定の世界観に入り込めなくても大丈夫。

金額がリーズナブルなのも魅力です。

 

2.  Scholastic リーダーズ

 -Sight Word Readers Box Set with CD

 -First Little Readers Guided Reading A~C

 -Guided Science Readers A~D

 -Folk & Fairy Tale Easy Readers Box Set

 

(出版社 Scholastic)

アメリカの有名な教材会社Scholasticから出ているリーダーズで、ネイティブの子どもたちも使っています。

最初は、3〜5ワードくらいの短い文章から読んでいきますが、内容は日常のさまざまな場面を羅網しており、0〜9歳頃まで年齢を選ばずに使えます。

フィクション、ノンフィクションで別のセットになっていますが、いずれもレベルごとの差が激しくないので、一気に進めていけるリーダーズだと言えるでしょう。

 

 

3.  Dolphin Readers 1~4

 

(出版社 Oxford )

Oxfordではキッパーシリーズが有名ですが、こちらはまったく別のシリーズで、アメリカ英語で書かれています。

ナビゲーターとなるキャラクターはいませんが、インタラクティブにアクティビティを楽しみながら進める、幼稚園〜小学生低学年向けのリーダーズです。

レベル間の差が少なく、英語学習者向けの配慮がされているので、もともと「読書」だけでは飽きやすいお子さんも、理解や発話を交えつつ、取り組むことができます。

 

 

4.  Learn-Abouts 1~4

(出版社 Apricot)※上のリンクから「多読」>Learn-Abouts

こちらは、理科と社会の分野に特化した、「英語のリピートを繰り返しながら同時に教科を学ぶ」タイプのリーダーズです。

知的好奇心にあふれる4歳〜9歳くらいのお子さんにぴったりです。

音声は、アメリカ英語。

学習者のニーズにしっかりと応える形で、基本文型を押さえる形で、英文を頻繁に繰り返しながら身につけていくよう編集されています。

 

 

5.  Clifford Phonics Fun Reading Program Pack1~6

 

(出版社 Scholastic)

主人公は、大きな赤い犬のクリフォード。

ほのぼのとした内容で、お話としても楽しみながら、音声と文字を関連づけて読み方を学ぶ「フォニックス」が身につくシリーズで、アメリカでも大人気のリーディングプログラムです。

1レベル12冊ずつのセットになっています。
全6レベルですが、1〜3くらいまでは、特に難しい説明がいらず、自然と文法も体得できるはずです。

後半のレベルでは、すこし日本語でも説明を加えて意味が取れた後に聞くなど、少しペースを落としつつ、他のものと併用して進めていくと続けやすいでしょう。

 

 

3.おわりに

いかがでしたか?

英語の多聴多読に挑戦しようとしたときに、どうしても特定の世界観に馴染みにくかったり、

「今やっている、同じレベルの本をもっと読んで慣れてから、次のレベルに挑戦したい」

などという希望がでてくることが多々あります。

そんなときこそ、横並びのレベルのさまざまな選択肢の中から、その都度、柔軟に絵本を選べる、グレイデッド・リーダーズの出番です。

ぜひ、ぴったりのリーダーを見つけて、多聴多読を楽しんでいきましょう!

 

 

 
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