今日は、ロンドン在住のママからの寄稿記事をご紹介します。

ご主人様とはフランスで知り合い、愛娘ちゃんはフランス育ち。
ママの母語は日本語、パパは英語なのに、このままでは娘の母語がフランス語になってしまう!

そんな夫婦がイギリスに移住して、子供に現地の英語教育を受けさせていく様子を見てみましょう。

日本で英語教育を実施する上でも、ヒントがいっぱいです。

 

目次;

1.イギリスに移住するまで

2.英語で小学校教育を受けるために

3.イギリスの小学校教育は至れり尽くせり

4.言語教育で見習いたいこと

 

1.イギリスに移住するまで

こんにちは、初めまして。

私は現在、ロンドンで英国人の主人と8歳のハーフの娘と一緒に暮らしています。

主人と私が知り合ったのはフランスです。

彼は幼少の頃に両親がフランスに移住して、英仏バイリンガルとして育ちました。

私たちの娘はフランスで生まれ、7歳までかの地で育ったのですが、

「やはり、家族の話す英語・日本語を優先にしたい」

と、イギリスへの移住を決意。ロンドンへ引っ越して、現地の小学校へ編入しました。

この、家族大移動(と言ってもお隣の国ですが・・・)を決意したのは、6歳でフランスの小学校に入学したときです。

小学校では当然ですが、フランス語での学習になります。

その分、英語や日本語をきちんと学ぶ時間は削られてしまうなー、という危機感を感じるようになりました。

そして、そのときに感じたのが、

「私たち家族にとって大事なのは、やっぱりお互いの祖父母、親族がはなす英語・日本語」
「子供たちには家族のルーツである、英語と日本語が分かるように育ってほしい」

ということでした。

イギリスへ移住するまでは、娘の英語は聞くのみ。

父親が英語で話しかけるのを理解はしていたようですが、返事はフランス語でしていました。

日本語に関しては、もう少しマシでしたが、同じ学齢の子供には程遠いほどのボキャブラリーです。

そのような状態でイギリスへの移住をしました。

 

2.英語で小学校教育を受けるために

私たちのイギリス移住に前後して、在仏の長い日本人の友人たちも数人、同じような理由で日本へ本帰国していきました。

フランス人の旦那さんや、ハーフの子供を抱えての日本帰国です。

イギリスへ渡った私にも日本への帰国を決めた友人達にも共通の心配は、やはり子供の学校のことでした。

日本でインターナショナルスクールに入れられる経済力のある人はわずかです。

公立の小学校で、帰国子女枠のある学校に入れたり、不安を抱えながら普通の公立の小学校へ入学したりと、帰国子女ならではの悩みは尽きません。

日本語は、日本で育った子たちのレベルまで達していない事が多く、普通の小学校に入学していいのか不安があります。

また、我が家のようにハーフの子の場合には、日本語だけに集中してしまうというのも、また問題。もう片方の家族の言語(英語)が使えなくなってしまっては困るからです。

英語と日本語の、良いバランスを見つけるのは大変です。

 

3.イギリスの小学校教育は至れり尽くせり

私の娘は、イギリス移住後、イギリスの公立小学校へ編入させることにしました。

小学校に入学した当初は、フランス語の方が慣れている娘は、学齢レベルの英語力を持っていなかったのですが、イギリスの小学校はおおらかに対応してくれて、

「すぐに追いつくから大丈夫ですよ」

と、最初の数か月は集中してサポートしてくれる教員を一人、娘の為だけにつけてくれました。

クラスの授業中、娘が理解していないとその方が補助してくれて、学校に慣れるように考慮をしてくれました。

校長先生は、

「学校に慣れるだけでも最低3か月はかかると思います。ゆっくり追いつけばいいんですよ」

と言ってくださり、娘は安心して通っている様子でした。

普通の公立校なのに、突然編入した英語の話せない子に対するサポート体制がすごいなぁと思ったのを覚えています。

娘へのサポート体制を見て、つくづくロンドンは、本当の意味での国際都市だと思いました。

外国人や帰国子女への対応が、とても素晴らしいです。ちなみに、フランスにも外国にルーツを持つ子供は多いですが、ここまでは対応していませんでした。

かくして、イギリスに移住後1年経った今では、娘の英語力はまだ少し平均からは低いものの、クラスメートとも仲良くなり、英語でなんでも表現できるようになりました。

 

 

4.言語教育で見習いたいこと

イギリスの学校の学習方法は特徴的でとても面白いと思います。

教科書に沿って勉強するというより、様々なコンテンツを使って実生活に似た体験をさせてみたり、休み時間に担任の先生が「ハリーポッター」などの人気の本を読み聞かせをしてくれたり、とアイデアいっぱい。

例えばBBCのニュースを子供たちに見せ、その後4~5人のグループで、ニュースを作る人、読む人、iPadで録画する人と分けみんなで協力してニュース作成をさせる授業があります。

また、クリーミーエッグという、イギリスの有名なチョコレートのCMを見た後、子供たちにキャッチフレーズとポスターを作らせたりもします。

絵本の一場面を読んで、その場面を演劇のようにシナリオ台本風に作らせることもあって、子供は飽きずに楽しみながら授業を受けています。

娘は、子供たちの間で流行っているYoutubeの曲を先生と一緒に観たこともあるそうです。

ピンクフォン(童謡)動画

何かと楽しみながら学べるように、子供たちが意見を出し合いながら学べるように、工夫しながらプログラムが組まれているなあと思います。

「言語」というのは生きています。

教科書だけで学ぶより多様なコンテンツを使って覚えていく方が、子供も楽しいですよね。

それは、海外で生活し日本へ帰っていく帰国子女の子供たちの言語学習についても言えるのではないかな~と思います。

今はオンラインでコミュニケーションがとれる時代なので、どこに住んでいても多言語の学習もずっと多様で容易になってきています。

私やパリの友人が心配していた子供の学校問題ですが、案ずるより生むがやすしというのが本当かもしれませんね。

 

 

 
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