日本の英語教育は、長年の課題です。
文法に重きを置き、書くことに関しては、勝っています。
ただ、外国へ行って会話をしようとしても、なかなか通じない。英会話教室へ通っても、なかなか上達しない。
日本人は、英語を話すのに、勇気がないからでしょうか?
「勇気がない」の原因を突き詰めてみると、英語の発音にコンプレックスを感じていることも、理由の一つではないでしょうか?
「ネイティブではないので、英語の発音は、上手になれない。」と、諦めてはいませんか?
今日は、私が住んでいるアメリカの小学校で実践している英語教育事情をお伝えします。
発音上達のヒントも隠されていますよ!
目次;
1.英語の発音は、自然に身につけるもの?
英語圏の国で育った子供たちやインターナショナル・スクールへ通っている子供たちは、英語の環境にいて、耳さえ慣れれば、ネイティブのように話せるのでしょうか。
逆に、英語環境に置かれていなくても、ネイティブ並みの英語は話せないのでしょうか。
確かに、普段から耳慣れした英語の環境の中で、英語を聞いたり、話したりした方が、日本語なまりのない英語が話せるようになるのですが、アメリカにいても、標準の英語の発音ができるというワケではありません。
たとえば地方へ行けば、「方言」や「なまり」として、会話に表れます。
「標準英語」を話せるようになるには、アメリカでも、やはり、教育を受けるからです。
2.フォニックス教育って何?
最近、耳にするようになった「フォニックス教育」。
この教育法とは、一体、何でしょうか。
フォニックスについての詳しい説明は、別記事の「フォニックス教育って何?」に説明されているので、そちらを読んでいただきたいのですが、「フォニックス教育」とは、簡単に言うと、英語の規則に従い、英文字と発音を組み合わせて憶えていく方法です。
この「フォニックス教育」は、米国で、早ければ3−4歳くらいから、保育園や幼稚園などで導入されています。
通常、小学校1年生前の幼稚園児が習うのが、一般的です。
なぜかと言うと、5−6歳の子供は、字を読み始めるため、この時期に教育すると、一番効果があるからです。
3.アメリカ小学校での、英語の勉強の仕方
幼稚園から小学校2年生くらいまで、フォニックス教育を元に、発音とスペル書きの練習をし、作文を書いていきます。
日本のようにドリル形式に覚えていくのではなく、子供たちに文字になれさせ、少しずつ発音と文字(スペル)との関連性を強化していくやり方です。
スペルが間違ってしまう、直されることはありますが、100%確実に書けることを目的とせず、発音と文字の関連性だけを重視しているので、完璧にスペルが書けなくても、良しとされます。
作文は、本人が言いたいことが伝わっていれば、そのコミュニケーション能力を評価されます。
ちなみに「フォニックス教育」といっても、小学校低学年のほとんどの先生は、この教育方法を「一つの方法」として扱ってはいますが「うちの学校はフォニックス教育をしています!」などと銘打って、子供たちに毎日フォニックスの授業をしているわけではありません。
あくまで、自然体に子供たちの発音・スペル上達の道具として、取り入れているだけです。
ただ、見た感じだと、大した発音訓練だとは思えませんが、この規則に乗っ取り、意識して発音をすることにより、標準アメリカ英語を話すことができるようになります。
4.日本人の子どもが英語の発音を上達させるには?
恐らく、日本人が英語の発音で苦労するところは、日本語にない発音が英語にあることでしょう。
例えば、英語のLとRの発音。
日本語だと、「ら・り・る・れ・ろ」なので、英語のLとRは日本人には非常に混乱する発音です。
こういった部分をフォニックス教育で確実にマスターしておけば、英語の発音が上達することは間違いありません。
発音は、生の「音」なので、どうしても書いたものを見るだけでは理解することができません。
米国で育っている私の息子たちは、「フォニックス」を取り入れているおもちゃで、楽しく歌いながら、発音を上達させて来ました。
あまり難しく考えずに、お子さんとおもちゃで聞き取って覚えるのも、楽しくていいですね。
5.終わりに
英語は生きた言葉です。
「勉強、勉強」と固く考えずに、音と文字のつながりを理解しながら、楽しく取り組んでみると苦労を感じずに上達することができます。
アメリカの低学年の子供たちも、そういった指導の元、成長してきています。
子供たちの両親は、全く英語が話せなくても、アメリカの学校教育の元で、全くアクセントのない発音で話せるようになるんです!
適正な教育を受けることで、英語圏の国に住んでいるかどうかに関わらず、英語の発音コンプレックスから免れる日が、近いうちに来るかもしれません。