2016年度より今までは英検3級以上だけに導入されていたスピーキングテストが4級・5級にも設置されました。

この記事では、英検の入門レベルである英検5級と英検4級へのスピーキングテストの導入について、その背景とスピーキングテストの特徴、そして、導入に伴う大手英会話スクールの対応についてご紹介します。

 

目次;

1.どうしてスピーキングテストは導入されたの?

2.4級・5級スピーキングテストの特長

3.大手英会話スクールの対応

4.まとめ

 

1.どうしてスピーキングテストは導入されたの?


公益財団法人 日本英語検定協会(以下:英検協会)は、2016年度の第1回英語検定より、英検4級・5級でのスピーキングテストの導入を開始しました。

ご存じの通り、日本の英語教育は近年「英語は4技能」というキャッチフレーズを掲げています。

主に受信系のリーディング(読む)とリスニング(聞く)だけでなく、発信系であるスピーキング(話す)とライティング(書く)が必要だ、という考えです。

これに合わせて、英検協会でもスピーキング力についての検定が不可欠であると考えたようです。

英検協会のホームページには、

「今回の4級・5級へのスピーキングテストの導入も、中高の英語教育や大学入試での4技能化と、小学校での外国語(英語)活動を一致させ、連続性を持たせようというねらいがあります。」

とあります。

→ http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/4s5s/merit.html

上記にあるように、2020年度からは大学入試試験の一つであるセンター試験が廃止されて、外国語(英語)の科目では4技能を測る試験が導入される予定だって、ご存知でしたか。

スピーキングテストは、この時流に乗って、必然に迫られて2016年に導入が始まった形ですが、導入したてということもあり、まだ色々な課題も抱えているのです。

 

2.4級・5級スピーキングテストの特長


4級・5級のスピーキングテストは他の級のスピーキングテストとは少し違います。

大きな特長が2つあります。1つは「いつでも、どこからでも受験できる」こと、もう1つは「英検の合否には関わらない(合否が別に出る)」ことです。

3級以上のスピーキングテストは実際に試験会場に行って面接委員と話す対面形式です。

それが、4級・5級では、コンピュータ端末を利用した録音形式というちょっと「え!そうなの!?なんで?」と言いたくなってしまうような方法を採用しています。

録音は、自宅やインターネットが使える環境下で好きな時間に行って、録音データを送信することになっています。「いつでも、どこでも」というのはそういう意味合いです。

また、4級・5級のスピーキングテストは、リーディングとリスニングの一次試験の合否とは関係なく受験できるようになっていて、合格者には「4級(5級)スピーキングテスト合格」という資格が認定されます。さらに、合否に加えて、英検CSEスコアを使って自分のスピークングテストのスコアを確認することができます。

一次試験とは別で合否を出しますので、英検4級と5級については、スピーキングテストが不合格だったからといって一次試験の合格が取り消されることはありません。

そういった意味では、お子様が実力試しのつもりで受験するには良いかもしれません。

ただし「どうせなら英検受験会場でいっぺんに受験出来てもいいのに・・・」という感想を持つ方もいらっしゃいますよね。

また「そもそもどうして合否は別にするの?」という疑問も当然わいてきます。

ここからは、私の推測にすぎないのですが、計測をする人材の確保や会場の確保、あるいは判断基準の統一化が困難であることなどから、苦肉の策で「録音形式でいこう!」となったのではないかなー、と思っています。

いえ、録音形式そのものに批判があるわけではないのです。ただ、現状のママ世代でネットを利用して子供に録音させた音声を送信する、という作業をササっと出来ない人もいるんじゃないかな、と。

また、自宅等での録音ということで、受験者本人の声かどうかということは分からないため「合否は別」とせざるを得ないのだと思うのですが、「合否に関わらない」→「じゃあ、わざわざ対策・勉強はいいか」という流れにどうしてもなってしまいますよね。

実際に、スピーキングテストの導入を受けて、英検対策を実施している塾や英語教室ではどのような対応をしているのでしょうか。

 

3.大手英会話スクールの対応


4級・5級のスピーキングテストは一次試験の合否に影響がない為なのか、スピーキングテスト用の対策クラスを開講している大手スクールは2017年10月現在では探し出すことは出来ませんでした。

ECCキッズの英検対策コースでは、5級から準2級までの英検対策コースがありますが、スピーキングの練習は面接試験のある3級以上からしかありません。

イーオンキッズでも同様に、英検対策コースはあるものの、4級・5級スピーキングテスト用の対策クラスはありません。

両スクールとも小学生用の英会話クラスを開講しているので、日頃のレッスンで英会話力をつけていくスタイルを取っています。

 

4.まとめ


日本の英語教育では、4技能(読む、聞く、話す、書く)が使える英語力を得るために必要だ、としてこれを重視し始めました。それに応じて、2016年から英検4級・5級でもスピーキングテストが導入されました。

ただし、現段階では一次試験と合わせて総合的に合否を決めてはいないため、「実力試し」に近い形の試験になっています。

今後、スピーキングの測定についてどのような方法が採用されていくのかについて、注目をしていく必要があります。

 

 

 
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